ガズニー

アフガニスタン中部の都市、ガズニー

ガズニーはアフガニスタン中部に位置する都市で、ガズニー州の州都です。2019年の推計人口は約27万人。カーブルとカンダハールを結ぶ交通の要衝にあたり、標高約2220メートルの高地にあります。商業と工業が盛んで、農作物の集散地としても重要な役割を果たしています。住民の大多数はパシュトゥーン人で、ハザーラ人とタジク人も多く居住しています。ペルシア語やアラビア語では、ガズニーンやガズナとも呼ばれてきました。

悠久の歴史

ガズニーの歴史は古く、古代ギリシャの地理学者プトレマイオスは「ガザカ」として、また、中国の玄奘三蔵は『大唐西域記』で「鶴悉那」として記録しています。9世紀後半まではザーブリスターンと呼ばれ、突厥系の王によって支配されていました。870年代にサッファール朝によって征服されるとイスラム化が進み、962年にはサーマーン朝の将軍アルプテギーンがガズナ朝を建国し、ガズニーを首都としました。

その後、ガズニーはゴール朝、ホラズム・シャー朝、モンゴル帝国の支配を受けましたが、常に交易と軍事において重要な拠点であり続けました。特に、ホラズム・シャー朝の王子ジャラールッディーンはガズナを拠点にモンゴル帝国の侵攻に抵抗したことで知られています。19世紀後半の第一次アフガン戦争ではイギリスによって攻略され、植民地支配を受けましたが、20世紀初頭にアフガニスタンが独立すると、再びアフガニスタンの都市となりました。

近年の紛争

近年では、政府軍とターリバーンとの激しい戦闘が繰り返されています。2018年8月には大規模な戦闘が発生し、政府軍とターリバーン双方に多くの犠牲者が出ました。アメリカ軍の支援を受けた政府軍はターリバーンの撃退を試みましたが、戦闘は数日間に及びました。2021年8月にはアメリカ軍の撤退に伴い、ターリバーンがガズニーを制圧しました。この紛争は、ガズニーの平和と安定に深刻な影を落としています。

歴史的遺跡

ガズニーには、数多くの歴史的遺跡が残されています。ガズナ朝の皇帝マフムードの廟や、学者アブー・ライハーン・アル・ビールーニーの墓は、重要な観光資源となっています。また、ガズナ朝の建築物である高さ約43メートルのミナレット2本も、往時の姿を今に伝えています。これらの遺跡は、ガズニーの豊かな歴史を物語っています。1960年代には菩薩像が発掘されましたが、アフガニスタン内戦時に盗難被害を受けています。

国際交流

ガズニーは、アメリカ合衆国のヘイワード市とイランのニーシャープール市と姉妹都市関係を結んでいます。これらの国際交流は、ガズニーの国際的な地位向上に貢献しています。ガズニーは、歴史と現代が交錯する、アフガニスタンを代表する都市の一つです。その歴史的意義と、現在進行形の紛争という厳しい現実を併せ持つ、複雑な都市と言えるでしょう。今後も、ガズニーの動向から目が離せません。

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