アンドリュー・アルバース

アンドリュー・アルバース：異色の経歴を持つカナダ出身の技巧派左腕

アンドリュー・ウィリアム・アルバース（Andrew William Albers、1985年10月6日 - ）は、カナダのサスカチュワン州ノースバトルフォード出身のプロ野球選手（投手）。左投右打。

プロ入り前

2004年のMLBドラフトでミルウォーキー・ブルワーズから指名を受けるも契約せず、ケンタッキー大学へ進学。同大学では、後にMLBで活躍するジェームズ・パクストンとチームメイトでした。

プロ入り後の道のり

2008年のMLBドラフトでサンディエゴ・パドレスから指名されプロ入り。しかし、2009年にトミー・ジョン手術を受け全休。その後、自由契約となります。

2010年は独立リーグでプレーした後、2011年にミネソタ・ツインズとマイナー契約。2013年にはメジャー初昇格を果たし、デビュー戦で勝利投手となるなど鮮烈な印象を残しました。

2014年には韓国プロ野球（KBO）のハンファ・イーグルスへ移籍。同年オフにトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結び、2015年には再びメジャーの舞台へ。同年はカナダ代表として、トロントパンアメリカン競技大会で金メダルを獲得しました。

2016年には古巣ツインズに復帰。その後、アトランタ・ブレーブス傘下を経て、2017年途中にシアトル・マリナーズへ移籍。マリナーズでは4年ぶりの勝利を挙げています。

オリックス・バファローズでの活躍

2017年オフにNPBのオリックス・バファローズへ入団。2018年には先発ローテーションに定着し、チームトップの9勝を挙げる活躍を見せ、オールスターゲームにも出場しました。安定した投球でチームを牽引し、ファンからは親しみを込めて「アルバース先生」と呼ばれるようになりました。

2019年は腰痛の影響もあり不本意な成績に終わったものの、2020年は先発ローテーションを守り、一定の成績を収めました。

再びツインズへ

2021年には再びツインズとマイナー契約。メジャー昇格も果たしましたが、シーズン終了後にFAとなりました。

2023年には、WBCカナダ代表に選出されています。

投球スタイル

オーバースローから繰り出されるフォーシームの最速は約147km/h。チェンジアップ、カーブを織り交ぜ、打者を打ち取ります。特筆すべきは、与四球率の低さで、制球力の高さが光ります。オリックス在籍時には、腰への負担を軽減するために投球フォームを改造しています。

人物

愛称は「ドゥリュー」、「アンディ」。

ケンタッキー大学在学中に教員免許を取得しており、プロ野球選手として生活できなくなった場合に備えています。ツインズ在籍中からオリックス入団前までは、オフシーズンに母校でフランス語と数学の臨時教員を務めていました。この教師としての経験が、ファンから「アルバース先生」と呼ばれる所以となっています。

年度別投手成績

(年度別投手成績は省略)

表彰

NPBオールスターゲーム敢闘選手賞：1回 （2018年第2戦）

記録

MLB初登板・初先発・初勝利：2013年8月6日、対カンザスシティ・ロイヤルズ戦
MLB初完投・初完封勝利：2013年8月12日、対クリーブランド・インディアンス戦
NPB初登板・初先発・初勝利：2018年4月4日、対千葉ロッテマリーンズ戦
NPBオールスターゲーム出場：1回 （2018年）

代表歴

IBAFワールドカップ カナダ代表 (2011年)
パンアメリカン競技大会 カナダ代表 (2011年, 2015年)
ワールド・ベースボール・クラシック カナダ代表 (2013年, 2017年, 2023年)
WBSCプレミア12 カナダ代表 (2015年)
パンアメリカン競技大会予選 カナダ代表(2023年)

アンドリュー・アルバースは、その実力と人柄で、多くのファンに愛されるプロ野球選手です。

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