イーアペトス

イーアペトスについて

イーアペトス（Ἰάπετος）は、ギリシア神話の中で重要な神格の一つであり、ティーターン族に属しています。彼は天の神ウーラノスと地の女神ガイアの子として誕生し、その名は日本語ではイアペトスとも省略されて呼ばれています。この名前に関しては、神話学者カール・ケレーニイが指摘するように、ギリシア人にとって外来の響きを持つ可能性があり、元々異なる民族の神であったことを示唆しています。

系譜と家族

ヘーシオドスの著作『神統記』によれば、イーアペトスはオーケアノスの娘クリュメネーとの間に、アトラース、メノイティオス、プロメーテウス、エピメーテウスといった著名な神々をもうけました。アポロドーロスによると、イーアペトスの妻としてアシアーの名が挙げられていますが、彼にはアーソーポスの娘アーソーピスやリビュエーとも交わったとの異説も存在します。

彼の子どもたちの中でも、プロメーテウスは特に知られており、人類に火をもたらしたことで有名ですが、ゼウスと対立して厳しい罰を受けることとなります。その他の息子たちも、彼らの父であるイーアペトス同様に、ゼウスに敵対的な運命をたどることになります。

ティーターノマキアー

イーアペトスは、その兄弟たちと共に神々の大神ゼウスに反抗し、ティーターノマキアーと呼ばれる戦争に参加しました。この大きな戦いは、宇宙の支配を巡る神々の激しい争いとして語られていますが、結果的に彼は敗北し、タルタロスという深い abyss に追いやられることとなります。タルタロスは地獄のような場所であり、彼と彼の同胞は、永遠にその深淵から出られない運命に立たされます。

そのため、イーアペトスは神話の中で決して無視することのできない存在であり、彼の物語は神々の力関係や運命についての深い教訓を示しています。彼の子供たちがそれぞれの神話の中でどのように関わっていくかも、ギリシア神話の豊かな物語の一部として興味深い内容です。

参照文献

イーアペトスに関する詳細な分析や神話の背景については、以下の参考書籍が有用です:

• - アポロドーロス『ギリシア神話』、高津春繁訳、岩波文庫（1953年）
• - ヘシオドス『神統記』、廣川洋一訳、岩波文庫（1984年）
• - 呉茂一『ギリシア神話』、新潮社（1956年）

関連項目

イーアペトスの名を冠した「イアペトゥス海」は、彼の神話的な影響を受けて名づけられた古代の海で、今なお多くの人々にその名を知られています。

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