ウィリアムズ・FW28

ウィリアムズFW28について

ウィリアムズFW28は、ウィリアムズF1チームが2006年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カーで、サム・マイケル、ヨルグ・ザンダー、ロイック・ビゴワらがその design に携わりました。このマシンはシーズンの開幕戦から最終戦まで使用され、多くの注目を集めました。

開発とデザイン

FW28のシャーシデザインは、前年のマクラーレン・MP4-20を意識したものが多く見受けられました。特に注目すべきは、そのシャーシ後部のエンジンカウルで、大きく切り取られた形状が特徴的です。また、リアカウルにはルーバーが施されており、大型のチムニーダクトが取り付けられ、ダウンフォースの獲得を狙った設計がされています。加えて、ブリッジウイングを搭載したフロントウイングが左右をつなぎ、エアロダイナミクスの向上に寄与しました。

エンジン性能

2006年にウィリアムズはBMWとのパートナーシップを解消し、カスタマーエンジンを使用する立場に移行しました。この年に搭載されたコスワースCA2006エンジンは、2.4Lの自然吸気V8エンジンで、90度に配置されたバンク角を持っています。特にこのエンジンは、2万回転を超える超高回転型として注目を浴び、パフォーマンスの高さが特筆されました。シーズン終了後には、2007年シーズンから使用されるトヨタV8エンジンが装着され、後のFW29の開発に繋がりました。

FW28の基本スペック

• - シャーシ名: FW28
• - 全長: 4,500 mm
• - 全幅: 1,800 mm
• - 全高: 950 mm
• - ホイールベース: 3,100 mm
• - 前トレッド: 1,460 mm
• - 後トレッド: 1,410 mm
• - マシン重量: 605 kg

• - エンジン名: コスワースCA2006
• - 気筒数・角度: V型8気筒・90度
• - エンジン重量: 95 kg
• - 排気量: 2,398 cc
• - 燃料・オイル: ペトロブラス

2006年シーズンの成果

2006年シーズンでは、ドライバーにマーク・ウェバーが残留し、ニック・ハイドフェルドはBMWザウバーに移籍しました。そして、GP2チャンピオンのニコ・ロズベルグが新たにチームに加わりました。シーズンの開始を飾るバーレーンGPでは、2人とも入賞を果たし、特にロズベルグはデビュー戦で史上最年少のファステストラップを記録する好評価を得ました。しかし、BMWエンジンを失った影響からチームはシーズンが進むにつれて競争力を失っていきました。

2つのドライバーは、18戦中わずか3戦でダブル完走を果たし、リタイアも多く、ダブルリタイアが6戦に達するなど苦しいシーズンを過ごしました。獲得したポイントは11点であり、コンストラクターズ選手権では8位に後退する結果となりました。

ドライバーズランキング

• - マーク・ウェバー: 7ポイント（14位）
• - ニコ・ロズベルグ: 4ポイント（17位）

FW28は、競技と技術の進化を象徴する重要なマシンであり、チームの歴史の中で特異な地位を持っています。

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