ウィーリンゲン級フリゲート

ウィーリンゲン級フリゲート

ウィーリンゲン級フリゲート（フランス語: Frégates classe Wielingen）は、ベルギー海軍に所属するフリゲート艦の艦級で、その設計はE-71型とも呼ばれています。これらの艦は、ベルギー海軍の重要な戦力として、1970年代から活動してきました。

来歴

ウィーリンゲン級の開発は、第二次世界大戦後の1950年代から1960年代にかけて、ベルギー海軍がイギリス海軍の支援を受けて再建されたことが背景にあります。当時の主力戦闘艦は、フラワー級コルベットやタコマ級フリゲートなどの供与艦艇が中心でしたが、1960年代にはこれらの代替艦を求める声が高まりました。特にアルジェリン級の老朽化が進み、早急な更新が必要とされていました。

本格的な設計は1964年から始まります。初期案は900型という小型フリゲートで、対潜戦に特化した艦載機を備える計画でしたが、これを改変し汎用性を持たせることが求められ、E-71型として新たに船体が設計されました。1974年からの建造により、1976年には4隻が進水し、1978年から運用を開始しました。

設計

ウィーリンゲン級の船型は、平甲板型をベースに艦尾を1層下げた形状です。主機関には、コッカリル社製のディーゼルエンジン（CO-240V-12）2基と、ロールス・ロイス社製のガスタービン（オリンパス TM3B）1基を搭載し、CODOG方式により2軸の可変ピッチ・プロペラを駆動します。この構成により、ディーゼルエンジンのみで15ノット、2基使用時には20ノット、ガスタービンを使用することで最大28ノットの速力が可能でしたが、後の改装により26ノットに減少しました。

装備

ウィーリンゲン級は、対空・対潜・対水上に有用な兵器をバランスよく搭載しています。C4Iシステムを備え、双方向の戦術データ・リンクを用いた情報伝達が可能です。また、艦首甲板にMle.68 100mm単装速射砲を配置し、艦尾にはMk.29 8連装のシースパロー個艦防空ミサイル発射機があります。対水上火力として、エグゾセMM38艦対艦ミサイルの連装発射筒も設置されています。

艦橋後部には、WM-28レーダーが装備され、低空の警戒を担当しています。加えて、 sonarとしてカナダ製のSQS-505Aが装備されており、後にSQS-510にアップグレードされます。対潜兵器としては、6連装375mm対潜ロケット発射機と550mm魚雷の発射機も備えています。

配備

この艦級は、長い間ベルギー海軍の主力艦として活躍しましたが、老朽化が進むにつれて更新が求められました。これを受け、1993年には事故による損傷を修理せず4番艦が退役し、さらにゼロ年代には他の艦も運用を終了しました。代替として、オランダ海軍のカレル・ドールマン級フリゲートが導入され、「レオポルド1世級」に改名されています。

撤退したウィーリンゲン級の艦は、ブルガリア海軍に売却され再就役を果たしました。他の類似艦艇としては、ノルウェーのオスロ級やスペインのデスクビエルタ級があげられます。

最終的に、ウィーリンゲン級フリゲートはその時代を代表する艦とされ、ベルギー海軍の戦闘力の一翼を担った艦級として記憶され続けています。

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