エファージュ (フランスの企業)

エファージュ：フランスを代表する建設会社の軌跡

エファージュ（Eiffage S.A.）は、フランスを代表する巨大建設会社です。従業員数6万人以上を擁し、売上高においては業界トップ3に名を連ねる大企業です。本社はパリ南西部のヴェリジー＝ヴィラクブレーに置かれ、ユーロネクスト・パリにも上場しています。

歴史：複数の企業統合から生まれた巨大企業

エファージュの歴史は、1844年設立のFougerolle社と、1924年設立のSAE（La Societe Auxiliaire d' Enterprises Electriques et de Travaux Public）社の合併に始まります。この2社は1993年に合併、エファージュが誕生しました。

Fougerolle社は、ゴッタルド鉄道トンネルやタンカルヴィル橋といった大規模プロジェクトを手掛けてきました。一方、SAE社はフランス最古の高速道路であるA13号線や、インドネシアのスカルノ・ハッタ国際空港建設など、数々の重要なインフラ整備に貢献しています。さらに、エッフェル塔建設で知られるEiffel社も1990年にSAE社に統合され、エファージュ社の礎を築きました。

その後も、エファージュ社は積極的に買収戦略を進め、1995年にはBeugnet社、2000年にはQuillery社と合併し、事業規模を拡大しました。2000年には組織再編を行い、建設事業を中心とする部門体制を確立。さらに、2006年には高速道路運営子会社Autoroutes Paris-Rhin-Rhône (APRR) を設立し、フランス国内の高速道路運営にも参入しました。これは、2005年のフランス政府による高速道路混合経済会社（SEMCA）の一部事業売却に応じたものです。また、2008年にはClemessy社、2014年にはカナダのInnovative Civil Constructors Inc.(ICCI)社を買収し、グローバルな事業展開を加速させています。

事業内容：多角的な展開で世界市場へ

エファージュ社は、建設事業を中核に、多様な事業を展開しています。主要なグループ会社には、都市施設建設を手掛けるエファージュ・コンストラクション、道路や鉄道などのインフラ整備を行うエファージュ・インフラストラクチャー、エネルギーインフラ事業のエファージュ・エネルギー、そしてコンセッション事業のエファージュ・コンセッションなどがあります。これらグループ会社が連携することで、幅広い建設事業をカバーしています。

主要プロジェクト：世界に名を馳せる数々の建築物

エファージュ社は、これまで数多くのランドマーク的な建造物やインフラ整備プロジェクトを手掛けてきました。代表的なものとしては、英仏海峡トンネル、ノルマンディー橋、欧州議会拡張工事、パリメトロ14号線、コペンハーゲン地下鉄、ミヨー橋、LGVペルピニャン-フィゲラス線、リエージュ＝ギユマン駅新駅舎建設工事、ルーヴル美術館ランス別館、スタッド・ピエール＝モーロワ、ピカソ美術館改修工事、ルイ・ヴィトン財団美術館、モン・サン＝ミシェルアクセス道路、LGVブルターニュ-ペイ・ド・ラ・ロワール線などが挙げられます。

近年では、ベルリン・ブランデンブルク国際空港（2020年完成予定）や、イギリスの高速鉄道プロジェクトHS2（2025年完成予定）といった、大規模な国際プロジェクトにも積極的に関わっています。

まとめ：未来へ向けた持続的な成長

エファージュ社は、長年に渡る実績と、積極的な事業展開により、フランスのみならず世界的な建設会社としての地位を確立しています。歴史と伝統を背景に、常に革新的な技術と高い品質を追求し続け、未来へ向けた持続的な成長を続けていくことでしょう。 その高い技術力と国際的なネットワークは、今後も世界中のインフラ整備や建築プロジェクトに貢献していくものと期待されます。

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