オペル・コルサ

オペル コルサ：世界を駆け抜けた小型車の歴史

オペル・コルサは、ドイツの自動車メーカーであるオペルによって製造・販売されているBセグメント級の乗用車です。その人気は国境を越え、ゼネラルモーターズ傘下のボクスホール、シボレー、ホールデンなど、世界各国で様々なブランド名で販売されてきました。スペイン、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、インドなど、世界各地の工場で生産されるグローバルカーとして、その歴史を刻んできました。

コルサの隆盛期は1998年。実に91万台以上を販売し、世界で最も多く販売された自動車としてその名を歴史に刻みました。2007年時点での累計販売台数は1800万台を突破しています。

日本市場においては、2代目と3代目モデルがヤナセを通じて「オペル・ヴィータ」として販売されました。親しみやすいデザインと充実した安全装備、そして輸入車としては比較的安価な価格設定が、日本の消費者の心を掴んだ要因と言えるでしょう。特に、2代目はドラマ「ビューティフルライフ」でヒロインの愛車として登場したことで人気に火がつき、品薄状態になるほどでした。

コルサのデザインには、日本人カーデザイナーの児玉英雄氏が大きく関わっています。初代から3代目まで、彼のデザインセンスがコルサの個性的な魅力を形作りました。

2017年、ゼネラルモーターズはオペルとボクスホールブランドをグループPSA（現ステランティス）へ売却。これにより、6代目コルサ以降はプジョーやシトロエンのプラットフォームが採用されることとなり、コルサの歴史に新たな章が開かれました。

各世代モデルの特徴

初代コルサA (S83型、1982年-1993年): 前輪駆動方式を採用した初代コルサは、フランス、イタリア、スペインなどの市場をターゲットに発売されました。スペインのサラゴサ工場で生産され、3ドアハッチバック、2ドアセダンから始まり、後に4ドア、5ドア、バンモデルも追加されました。日本には東邦モーターズが少量輸入し、「オペル100i/130GT」として販売されました。

2代目コルサB (S93型、1993年-2016年): 児玉英雄氏によるデザインが特徴的な2代目モデル。日本では「オペル・ヴィータ」として販売され、丸みを帯びた親しみやすいデザインと充実の安全装備が人気を博しました。

3代目コルサC (X01型、2000年-2012年): 児玉氏がデザインに携わった最後のコルサ。日本でも「オペル・ヴィータ」として販売されました。

4代目コルサD (S07型、2006年-2014年): フィアット・グランデプントとプラットフォームを共有。日本市場からはオペルが撤退したため、正規輸入はされませんでした。

5代目コルサE (X15型、2014年-2019年): 3ドアと5ドアモデルが設定され、英国ではボクスホールブランドで販売。1.0Lターボから1.6Lターボまで幅広いエンジンラインアップを誇り、高性能モデルの「オペルコルサOPC」も登場しました。

6代目コルサF (P2JO型、2019年-現在): グループPSAのプラットフォームを採用し、電気自動車モデル「コルサe」もラインナップに加わりました。2021年には日本市場に再上陸を果たし、他国と同様に「オペル・コルサ」として販売される予定です。2023年にはマイナーチェンジを実施し、デザインやパワートレインに改良が加えられました。

まとめ

コルサは、半世紀近くにわたる歴史の中で、世界中の道路を駆け抜けてきました。その過程で、デザイン、技術、販売戦略など、様々な進化を遂げ、常に時代のニーズに対応してきたと言えるでしょう。これからも、コルサが世界中のドライバーに愛される車であり続けることを期待したいです。

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