クアラルンプール駅

クアラルンプール駅：歴史と建築美が息づく駅

クアラルンプール駅は、マレーシアの首都クアラルンプールに位置する、マレー鉄道の駅です。1886年に開業したクアラルンプール最古の駅であり、その歴史と美しい建築様式から、多くの観光客を魅了しています。

概要

現在の駅舎は、1910年に建設されたもので、インド・イスラム様式を取り入れた優雅なデザインが特徴です。設計はリヴァプール出身の若手建築家、アーサー・ベニソン・ハバックが担当しました。当時、英領インドや英領マラヤでは、ミナレットやドーム天井など、モスクの建築様式と西洋の建築様式を融合させる手法がよく用いられており、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルも同様の建築様式で建てられています。

長らくクアラルンプールの中央駅として機能していましたが、2001年にKLセントラル駅が開業したことにより、その役割を終えました。現在、クアラルンプール発着の長距離列車（KTMインターシティ）は当駅を通過し、KLセントラル駅に停車するようになっています。ただし、豪華列車イースタン＆オリエンタル・エクスプレスは例外的に当駅に停車します。

しかし、2008年12月からは「イポー - KLシャトル・トレイン」が停車するようになり、一部のKTMインターシティも停車するなど、再び利用される機会が増えています。また、KTMコミューターのスレンバン線とポート・クラン線の電車も停車します。

ラピドKLのパサール・スニ駅とは徒歩で乗り換えが可能で、連絡通路が設けられています。

歴史

1886年9月15日：クアラルンプール - スンガイ・クラン間の開業に伴い、駅が開業。
1910年8月1日：現在の駅舎が完成。
1983年4月14日：歴史的建造物に指定。
1995年8月14日：マレー鉄道が電化され、KTMコミューターの運行が開始。
2001年4月16日：クアラルンプール・セントラル駅が開業し、中心駅としての機能を譲る。

駅構造

地上駅で、2面2線の相対式ホーム（1・4番ホーム）と、1面2線の島式ホーム（2・3番ホーム）の、計3面4線の構成です。駅舎は西側に位置し、1番ホームに面しています。

地平駅舎に加え、ホームの北端付近には小規模な橋上駅舎があり、こちらからラピドKLのパサール・スニ駅への連絡通路が設けられています。

駅舎の2階、3階部分は、1910年の建設以来、「ヘリテージ・ステーション・ホテル・クアラルンプール」として利用されており、現在も営業しています。

駅周辺

駅周辺には、以下のような施設があります。

マレーシア鉄道公社 本社ビル
ヘリテージ・ステーション・ホテル・クアラルンプール
ホテル・マジェスティック
マスジッド・ネガラ（国立モスク）
イスラム美術館
マレーシア国立プラネタリウム
トゥン・アブドゥル・ラザク記念館
クアラルンプール中央郵便局
クラン川
ラピドKLパサール・スニ駅
コンプレックス・ダヤブミ
セントラル・マーケット

隣の駅

マレー鉄道

■ウエスト・コースト線（KTMインターシティ）
ETSプラチナム：スンガイ・ブロー駅 - クアラルンプール駅 - KLセントラル駅
ETSゴールド：スンガイ・ブロー駅/クポン・セントラル駅 - クアラルンプール駅 - KLセントラル駅
ETSシルバー：クポン・セントラル駅 - クアラルンプール駅 - KLセントラル駅
1 スレンバン線・2 ポート・クラン線（KTMコミューター）
* バンク・ネガラ駅 (KA03) - クアラルンプール駅 (KA02) - KLセントラル駅 (KA01)


クアラルンプール駅は、その美しい建築と歴史的な背景から、鉄道ファンだけでなく、多くの旅行者にとっても魅力的な場所です。駅舎内のホテルに宿泊したり、周辺の観光スポットを巡ったりするのもおすすめです。

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