グロースターク

グロースターク：驚異の才能と栄光に満ちた生涯

1963年生まれのアメリカ合衆国産競走馬、グロースターク。その名は、ジョージ・バール小説に由来します。近親には、アメリカリーディングサイアーのヒズマジェスティや、殿堂馬ボウルオブフラワーズといった名馬がおり、その血統の素晴らしさを物語っています。

現役時代は、2歳戦で圧倒的な強さを発揮しました。デビュー前から類まれな才能を示し、驚異的な調教タイムを記録。2歳シーズンは3戦全勝という華々しいデビューを飾り、アーリントンパーク競馬場のアーチワードステークスでは不良馬場をものともせず、6馬身差の圧勝劇を演じました。総獲得賞金は75,904ドルに及びます。しかし、シンスプリントを発症し、長期離脱を余儀なくされました。それでも、バックパサーに次ぐ全米2歳ランキング2位にランクインするなど、その才能は高く評価されました。

3歳シーズンはフロリダから始動し、7連勝という快進撃を続けました。しかし、ブルーグラスステークスを前に左前肢の蹄鉄の不備により故障。この状態でレースに出走したものの、エイブズホープにハナ差で敗れ、惜しくも初黒星を喫しました。この故障が原因で、現役を引退することとなります。同世代には、強豪バックパサーがいましたが、両者の直接対決は実現しませんでした。後に、名騎手ブラウリオ・バエザは、自身が騎乗した馬の中で最も強かった馬としてグロースタークの名前を挙げ、その実力の高さを改めて示しています。

引退後は、240万ドルという高額なシンジケートが組まれ、種牡馬として新たな道を歩み始めます。グロースタークは、プラウドトゥルース、キートゥザミント、アヴァター、カラコレロなど、数々の名馬を輩出。1972年にはアメリカ種牡馬ランキング6位にランクインするなど、種牡馬としても大きな成功を収めました。さらに、母の父としても圧倒的な成功を収め、1985年にはイギリス、1988年にはアメリカでリーディングブルードメアサイアーに輝きました。

1988年、グロースタークは種牡馬生活の最中にこの世を去りました。その遺体は、繋養されていたダービーダンファームに埋葬されています。

主な勝ち鞍:

バハマステークス
アーチワードステークス

主な産駒:

プラウドトゥルース (ブリーダーズカップ・クラシック優勝)
プルーヴアウト (ジョッキークラブゴールドカップ、ウッドワードステークス優勝)
キートゥザミント (トラヴァーズステークス、サバーバンハンデキャップ、ブルックリンハンデキャップ、ウッドワードハンデキャップ、ホイットニーハンデキャップ優勝)
アヴァター (ベルモントステークス、サンタアニタダービー優勝)
カラコレロ (ジョッケクルブ賞優勝)
プロテクションラケット (アイリッシュセントレジャー優勝)
ジムフレンチ (サンタアニタダービー優勝)
ラディガ (ナリタタイシンの母父)

グロースタークは、競走馬としての短くも華々しい活躍、そして種牡馬として長く続いた成功、そして数々の名馬を産み出した偉大な存在でした。その名は、競馬史に永遠に刻まれることでしょう。

参考文献:

* 栗山求『血統史たらればなし』エンターブレイン、2016年。ISBN 978-4-04-734112-8。

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