ゲルク派六大僧院

ゲルク派六大僧院は、チベット仏教ゲルク派（黄教）において、特に重要な位置を占める六つの寺院を指します。

ラサ三大寺

チベットの古都ラサには、ゲルク派の三大寺院として名高い、ガンデン寺、セラ寺、デプン寺があります。これらは「ラサ三大寺」と称され、ゲルク派の中心的な存在として、密接な関係を保ってきました。

ガンデン寺 (甘丹寺): ゲルク派の開祖であるツォンカパによって創建された、ゲルク派の総本山です。標高が高く、厳しい修行の場としても知られています。
セラ寺 (色拉寺): 活発な問答（チベット語で「ツォラム」）が行われることで有名です。境内で প্রতিদিন行われる問答は観光客にも公開されており、人気を集めています。
デプン寺 (哲蚌寺): かつてはダライ・ラマの座所が置かれていた寺院であり、17世紀までは政治の中心としても機能していました。ゲルク派の寺院の中でも最大規模を誇ります。

ラサ三大寺は、高位の学位であるラランパ・ゲシェーの試験、ギュメ寺やギュト寺における密教修行、そしてガンデン・ティパ（ガンデン寺座主）の選出を含む組織人事において、互いに連携し、協力関係を築いています。これらの寺院は、ゲルク派の教義と伝統を継承し、発展させる上で、不可欠な役割を果たしてきました。

タシルンポ寺

シガツェ地区に位置するタシルンポ寺は、パンチェン・ラマの座所として知られ、ゲルク派最大の寺院です。その壮大な建築と、貴重な仏像や壁画の数々は、訪れる人々を魅了します。ラサ三大寺と合わせて、ゲルク派四大僧院と称されることもあります。

クンブム・チャンパーリン寺（タール寺）

青海省西寧市湟中区に位置するクンブム・チャンパーリン寺（通称タール寺）は、ゲルク派の創始者であるツォンカパの生誕地に建てられた寺院です。バターで作られた精巧な彫刻や、鮮やかな色彩の壁画が有名で、多くの信者や観光客が訪れます。

ラプラン・タシーキル寺（ラプラン寺）

甘粛省夏河県にあるラプラン・タシーキル寺（通称ラプラン寺）は、チベット文化圏において、重要な学問の中心地として知られています。広大な境内に、数多くの僧院や仏堂が立ち並び、僧侶たちが日々勉学に励んでいます。

これらの六大僧院は、ゲルク派の教義を広め、チベット文化を継承する上で、重要な役割を果たしてきました。それぞれの寺院が独自の歴史と文化を持ち、多くの人々にとって信仰の拠り所となっています。

関連項目

ラサ三大寺
ゲルク派
ダライ・ラマ

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