コスタンツォ・ポルタ

コスタンツォ・ポルタ（1528年/1529年 - 1601年5月19日）は、ルネサンス期のイタリアを代表する作曲家の一人であり、ヴェネツィア楽派の重要な人物として知られています。彼はクレモナで生まれ、パドヴァでその生涯を終えました。作曲家、そして教師として、その才能は高く評価されました。

生涯

ポルタの若年期については詳しい記録は残っていませんが、クレモナの聖ルカ修道会で教育を受けたと推測されています。1550年頃には、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院の楽長であったアドリアン・ヴィラールトに師事したと考えられています。この時期に、同じくサン・マルコで学んでいたクラウディオ・メールロと出会い、生涯にわたる友情を育みました。

1552年、ポルタはオージモの聖堂で楽長に就任。その後、1565年には短期間パドヴァで職を得ますが、翌年にはより魅力的なラヴェンナへと移ります。ラヴェンナでは、聖堂のために新しい音楽隊を組織するという重要な役割を担いました。

1580年頃になると、ポルタの名声は確立され、その才能を求める競争が起こるほどでした。彼はミラノからの誘いを断り、いくつかの都市で職を転々としました。また、この頃には教師としても名声を博し、次世代の作曲家たちに高度な対位法の技術を伝授しました。

晩年はパドヴァで過ごしますが、その生活は決して楽なものではありませんでした。パドヴァの音楽水準の低下、健康状態の悪化、そして後継者の座を狙う人物からの嫉妬など、多くの苦難に直面しました。

作品

ポルタの作品は主に宗教音楽であり、中でもモテットが特に多く、少なくとも8冊のモテット集が出版されています（うち1冊は現存せず）。その他にも、ミサ曲、入祭唱、そして膨大な数の晩課のための賛美歌を作曲しました。

ポルタの作品は、ニコラ・ゴンベールの作品よりもさらにポリフォニックであり、形式的な厳格さを重視し、対位法を遵守した作曲を特徴としています。しかし、その高度な技術によって、歌詞が明瞭に聞き取れるように工夫されています。

彼は厳格なカノンを多用することでも知られています。1580年に出版された52のモテット集に収録された7声のモテットでは、7声のうち4声がカノンによって構成されています。また、別のモテットでは、対位法の中でも特に高度な技術を要する定量カノン（プロラツィオ・カノン）が用いられています。

トリエント公会議で歌詞が不明瞭になるほどの過剰なポリフォニーが問題視された際、多くの作曲家が反発しましたが、ポルタは同僚たちに同調することはありませんでした。それは、彼自身が歌詞を明瞭に伝える作曲技法に自信を持っていたからでしょう。ポルタの作品は、ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナの作品に匹敵するほど緻密に構成されており、不協和音や半音階の使用を慎重に避ける一方で、同時代の他の宗教音楽作曲家には真似できない高度なポリフォニー技法を駆使しています。

後期のモテットには、複合唱を用いた作品も見られます。この様式が隆盛を極めた16世紀末のヴェネツィアにはいませんでしたが、かつてヴィラールトに師事した経験は、彼の音楽に大きな影響を与え続けました。また、ヴェネツィアの最新の音楽トレンドにも精通しており、新しい技法を効果的に取り入れています。

ポルタはマドリガーレも作曲しており、その多くは雇い主の親族の結婚式などの特別な機会のために書かれたものです。これらの世俗的な作品は、宗教作品に比べてシンプルな様式で書かれており、当時の流行を反映しています。

参考文献

Gustave Reese, Music in the Renaissance. New York, W.W. Norton & Co., 1954. (ISBN 0393095304)
Article Costanzo Porta, The New Grove Dictionary of Music and Musicians, ed. Stanley Sadie. 20 vol. London, Macmillan Publishers Ltd., 1980. (ISBN 1561591742)

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