コリントス戦争

コリントス戦争（紀元前395年 - 紀元前387年）

コリントス戦争は、アテナイ、アルゴス、コリントス、テバイなどの反スパルタ同盟諸国と、スパルタおよびペロポネソス同盟諸国との間で戦われた古代ギリシアの戦争です。

背景

ペロポネソス戦争（紀元前431年 - 紀元前404年）後、スパルタはギリシアの覇権国家として台頭しましたが、その支配は次第に周辺諸国の反感を買うようになりました。スパルタは、敗戦国や旧アテナイの属国に貢納を強要し、同盟国であるコリントスやテバイとの関係も悪化させました。

また、スパルタ王アゲシラオス2世による小アジア遠征は、ペルシアとの関係を悪化させました。フリュギア太守ファルナバゾスは、ギリシア本土で戦争を起こさせることでアゲシラオスを撤退させようと画策し、ロドス人のティモクラテスに資金を与え、アテナイ、テバイ、コリントス、アルゴスなどの国々を反スパルタ戦争へと扇動しました。

開戦

紀元前395年、テバイはロクリスとフォキスの間で紛争を引き起こし、スパルタがフォキスを支援して介入。これに対し、テバイはアテナイと同盟を結び、コリントスも参戦して、反スパルタ同盟が結成されました。

戦争の経過

紀元前395年

スパルタはリュサンドロスとパウサニアス王の二軍をボイオティアへ派遣しましたが、リュサンドロスはハリアルトスの戦いで敗死。パウサニアスは協定を結んで撤退し、裁判にかけられた後に亡命しました。

紀元前394年

ネメアの戦いでは、スパルタ軍が反スパルタ同盟軍に勝利しましたが、クニドスの海戦では、ペルシア・アテナイ連合艦隊がスパルタ艦隊を破り、スパルタは海上での支配力を失いました。コロネイアの戦いでは、アゲシラオス率いるスパルタ軍が反スパルタ同盟軍に勝利しました。

紀元前393年

アテナイはコノンとファルナバゾスの協力により、ピレウスの長城を再建し、エーゲ海の島々を占領して勢力を回復しました。一方、コリントスでは民主派と寡頭派の対立が激化し、スパルタがコリントスの港であるレカイオンを奪取しました。

紀元前392年

スパルタはアンタルキダスをペルシアに派遣し、アテナイの勢力拡大を牽制しようとしました。ペルシアは当初アテナイを警戒しましたが、後にスパルタに接近し、アンタルキダスの和約締結への道筋をつけました。

紀元前391年 - 紀元前388年

イピクラテス率いるアテナイ軍はレカイオンの戦いでスパルタ軍を破り、コリントス周辺でのスパルタの支配力を弱めました。アゲシラオスはアルゴスやアカルナニアへ遠征し、スパルタの勢力維持に努めました。また、エーゲ海では、スパルタとアテナイが互いに艦隊を派遣し、制海権を争いました。

アンタルキダスの和約（紀元前387年）

ペルシアの介入により、スパルタと反スパルタ同盟は和平交渉を開始し、紀元前387年にアンタルキダスの和約が締結されました。この条約により、ペルシアは小アジアの支配権を確立し、ギリシア諸都市の独立が保障されましたが、スパルタの覇権も確立されました。

影響

アンタルキダスの和約後、ペルシアはエーゲ海東部の支配を強化し、スパルタはギリシアにおける覇権を確立しました。しかし、スパルタの支配はテバイとの対立を招き、紀元前371年のレウクトラの戦いで敗北し、覇権を失いました。一方、アテナイは「第二次アテナイ帝国」と呼ばれる勢力圏を確立し、ギリシアの強国としての地位を取り戻しました。

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