紀元前392年

紀元前392年は、ローマ暦における重要な年であり、共和政ローマの執政官が任命された年として知られています。当時、「ポティトゥスとカピトリヌスが執政官に就任した年」として記録されていましたが、後世にはローマ建国紀元362年とも呼ばれることもありました。しかし、現在では西暦紀元前392年として広く認識されています。

この年は、様々な地域で歴史的な出来事が起こりました。以下に、その主な出来事を詳しく解説します。

各地の出来事

ペルシア帝国
アケメネス朝ペルシアでは、アルタクセルクセス2世が、ティリバゾスに代わり、将軍ストルタスをサルディスの太守に任命しました。ストルタスは反スパルタ政策を推進しました。

ギリシア
コリントス戦争（紀元前395年 - 紀元前387年）が継続しており、スパルタはアケメネス朝ペルシアの太守ティリバゾスのもとに大使アンタルキダスを派遣しました。アンタルキダスは、アテナイの将軍コノンがペルシア艦隊を利用してアテナイ帝国の再建を始めたと伝え、ペルシアを反スパルタ同盟側に敵対させようとしました。これに対し、アテナイはコノンを代表とする外交団をサルディスに派遣しました。ティリバゾスはコノンを捕縛し、密かにスパルタに軍資金を提供しましたが、コノンは脱出し、アテネへ帰る途中にキュプロスで死去しました。

ギリシアの諸都市国家間の和平交渉がスパルタで開かれました。アテナイからは、雄弁家で政治家のアンドキデスが代表として参加しましたが、交渉は決裂し、アテナイは提示された講和条件を拒否し、外交団を追放しました。

共和政ローマ
ウェイイから移転したユーノー神殿の奉献が行われました。また、アエクイ族との小競り合いが発生し、ローマでは疫病が流行しました。

シチリア
シュラクサイの僭主ディオニュシオス1世は、再びカルタゴの侵攻に直面しました。ディオニュシオス1世は、シケロイ人に対する支配を強めていましたが、カルタゴの脅威に対抗するため、シケロイ人と同盟を結びました。カルタゴ軍はマゴ率いる軍勢で侵攻しましたが、敗北し、ディオニュシオス1世に有利な和平条約を結んで撤退しました。

芸術

イソクラテスが、キオスに修辞学学校を設立しました。これは、弁論術と文章術を教える学校であり、多くの知識人を育てたことで知られています。

その他の紀年法

この年は、他の紀年法では以下のように表されます。
干支: 己丑
日本: 皇紀269年、孝安天皇元年
中国: 周 - 安王10年、秦 - 恵公8年、晋 - 烈公24年、楚 - 悼王10年、斉 - 康公13年、燕 - 簡公23年、趙 - 武公8年、魏 - 武侯4年、韓 - 烈侯8年
朝鮮: 檀紀1942年
* 仏滅紀元: 153年

死去

アテナイの将軍であったコノンが死去しました。コノンは紀元前444年頃に生まれ、アテナイの再建に尽力した人物として知られています。

まとめ

紀元前392年は、古代世界において重要な出来事が多数発生した年でした。ペルシア、ギリシア、ローマ、シチリア各地で戦争や外交、疫病、芸術活動が展開され、後の歴史に大きな影響を与えました。これらの出来事は、当時の国際関係や文化を理解する上で重要な手がかりとなります。

もう一度検索