ザ・ラシアンズ

ザ・ラシアンズ（The Russians）

ザ・ラシアンズは1980年代中盤にアメリカ合衆国で活躍したプロレスラーのタッグチームです。彼らはNWA（全米レスリング連盟）のジム・クロケット・プロモーションズに所属し、ロード・ウォリアーズやロックンロール・エクスプレスとNWA世界タッグ王座を争いました。このチームは冷戦の影響を受け、ロシア人としてのキャラクターを演じながら反米ヒール軍団として知られていましたが、実際にはメンバーはロシア出身ではなく、あくまでギミックとしての設定でした。

メンバー

1. イワン・コロフ（Ivan Koloff）
2. ニキタ・コロフ（Nikita Koloff）
3. クラッシャー・クルスチェフ（Krusher Khruschev）

1980年代初頭には、イワン・コロフがアレックス・スミルノフやニコライ・ボルコフと搭組していた「The Russians」と呼ばれるタッグチームもありました。しかし、こちらは正式なチーム名としては定着しておらず、便宜上の呼称に過ぎませんでした。

チームの結成と活躍

ザ・ラシアンズは1984年の下期に、ジム・クロケット・ジュニアが主宰するNWAミッドアトランティック地区でイワン・コロフと新人ニキタ・コロフのタッグチームとして結成されました。ニキタはこの年にデビューしたレスラーで、イワンの「甥」というキャラクター設定がありました。1985年3月18日には、ダスティ・ローデスとマニー・フェルナンデスからNWA世界タッグ王座を奪取し、クラッシャー・クルスチェフも同年にメンバーに加わりました。これにより、彼らはトリオとして活動を開始しました。

彼らはファビュラス・フリーバーズと同様に3人でタッグ王座を保持し、ロード・ウォリアーズやロックンロール・エクスプレスとの多くの抗争を繰り広げました。特に1986年には、ニキタとクラッシャーのコンビで全日本プロレスに来日し、ジャンボ鶴田や天龍源一郎、長州力、谷津嘉章のチームと対戦しました。

タイトル獲得と活動

1986年9月28日には、新設されたミッドアトランティック版USタッグ王座の争奪トーナメントにイワンとクラッシャーが出場し、準決勝でローデスとマグナムTAを、決勝ではカンザス・ジェイホークス（ボビー・ジャガーズ＆ダッチ・マンテル）を破って初代王者となりました。ニキタのベビーフェイス転向後は、イワンとクラッシャーのタッグチームとして活動を続けましたが、1987年にクラッシャーがWWFに移籍し、デモリッションのスマッシュに変身しました。

その後、イワン・コロフはウラジミール・ペトロフ（アル・ブレイク）を新パートナーとして活動しましたが、冷戦の終結に伴い、反米ロシア人のキャラクターが時代遅れとなったことで、ザ・ラシアンズは解散することになりました。

獲得タイトル

• - NWA世界タッグ王座（ミッドアトランティック版）：2回
• - NWA世界6人タッグ王座（ミッドアトランティック版）：2回
• - NWA USタッグ王座（ミッドアトランティック版）：1回

彼らの活動は、当時のプロレス界に大きな影響を与え、特に冷戦時代の文化的背景を反映したキャラクター戦略やストーリー展開は、多くのファンに記憶されています。

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