ボビー・ジャガーズ

"ハングマン" ボビー・ジャガーズ：カウボーイギミックで魅せたヒールの軌跡

"ハングマン" ボビー・ジャガーズ（本名：Robert F. Jeaudoin）は、1948年1月8日にワシントン州バンクーバーで生まれ、2012年9月30日に64歳で亡くなったアメリカのプロレスラーです。1970年代から1980年代にかけて、カウボーイギミックのヒールとして活躍し、その名を轟かせました。

初期のキャリア

1966年にアメリカ陸軍に入隊し、ベトナム戦争に従軍。その後、地元のワシントンやオレゴンを拠点とするパシフィック・ノースウエスト・レスリング（PNW）のプロモーター、サンディ・バーに見出され、1972年にアル・マドリルを相手にデビューしました。キャリア初期には、"ムーンドッグ" ロニー・メインの弟と称し、ボビー・メインというリングネームで活動していました。

アリゾナ、テネシー、カンザスシティのNWAセントラル・ステーツ地区などを経て、ボビー・ジャガーズと改名。テキサスのアマリロ地区に進出し、1975年9月にはドリー・ファンク・ジュニアのブッキングでスタン・ハンセンと共に全日本プロレスに初来日を果たします。大型の若手カウボーイ・コンビとして、荒削りながらもエネルギッシュなラフファイトを展開し、日本のプロレスファンを魅了しました。ハンセンとは来日前からアマリロでタッグを組んでおり、ムース・モロウスキー&サイクロン・ネグロなどのチームから勝利を収めています。

中南部での活躍と全日本プロレス参戦

1976年下期からは中南部のNWAトライステート地区に進出し、12月2日にはケン・パテラからブラスナックル王座を奪取。以降も中西部や中南部を主戦場に、マイク・ジョージやポール・オーンドーフといった強豪レスラーたちと激しい抗争を繰り広げました。

1980年3月には、覆面レスラーのミステリアス・アサシンに変身して全日本の第8回チャンピオン・カーニバルに出場。開幕戦ではジャイアント馬場からリングアウト勝ちを収めるという番狂わせを演じました。同大会では、アマリロやジョージアでライバル関係にあったレイ・キャンディと共にアブドーラ・ザ・ブッチャーを援護射撃し、テリー・ファンク、ディック・スレーター、テッド・デビアスのファンク・ファミリーと軍団抗争を展開。シリーズ中に覆面を剥がされ、終盤は素顔のボビー・ジャガーズとして出場しました。

フロリダ、テキサス、そして晩年

帰国後はR・T・タイラーとのカウボーイ・コネクションを結成し、NWAフロリダ地区に登場。1980年12月2日には、バリー・ウインダム&スコット・マギーを下してフロリダ・タッグ王座を獲得しました。シングルでは同年10月11日にバグジー・マグローからフロリダ・ヘビー級王座を、1981年6月にはジャック・グレイから南部ヘビー級王座をそれぞれ奪取するなど、フロリダ地区でも確固たる地位を築き上げました。

1982年末からはテキサス州サンアントニオのサウスウエスト・チャンピオンシップ・レスリングに参戦。正義派カウボーイのスコット・ケーシーと抗争を展開し、1983年6月には負傷欠場中のジョナサン・ボイドに代わってルーク・ウィリアムスのパートナーとなり、ボイドが保持していたサウスウエスト・タッグ王座を継承しました。しかし、7月4日の試合後にウィリアムスと仲間割れし、ベビーフェイスに転向。以降、マニー・フェルナンデスと組んでウィリアムス&ブッチ・ミラーのザ・シープハーダーズとデスマッチの連戦を繰り広げました。

1984年秋からは古巣のPNWに定着。初期はベビーフェイスとして、後にヒールに戻って、数々のレスラーたちとパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座を争い、PNWのフラッグシップ・タイトルだった同王座を通算4回獲得しました。

1986年下期から1987年にかけては、晩年のホームタウンとなった中西部のセントラル・ステーツ地区に出場しつつ、ベビーフェイスのポジションでジム・クロケット・ジュニア主宰のNWAミッドアトランティック地区にも参戦。同じくカウボーイをギミックとしていたダッチ・マンテルとカンザス・ジェイホークスを結成し、ジム・コルネット率いるミッドナイト・エクスプレスと抗争しました。

キャリア末期はWWFのカンザスでの興行に単発出場し、1991年に引退。引退後もカンザスに居住し、2012年9月30日に64歳でその生涯を閉じました。

得意技

エルボー・ドロップ
エルボー・バット
* ネックブリーカー

獲得タイトル

数々のタイトルを獲得し、その実力を証明しました。

ボビー・ジャガーズは、その強烈な個性とファイトスタイルで、多くのプロレスファンを魅了し続けました。彼の功績は、プロレス史に永遠に刻まれることでしょう。

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