ジェイアールバス関東小諸支店

概要

JRバス関東小諸支店は、長野県小諸市与良町に位置するJRバス関東の営業所です。2018年6月1日に、同市紺屋町から現在地に移転しました。

かつては観光地を結ぶ路線が中心で、「鉄道線の培養」という使命を担っていました。しかし、乗客数の減少に伴い路線が縮小され、現在は高速バスや地域輸送が主な業務となっています。1997年の北陸新幹線先行開通時には佐久平駅への乗り入れも行いましたが、白樺高原線での効果は薄く、2004年に廃止されました。

信越本線横川駅 - 軽井沢駅間の廃止代替バス（碓氷線）は、当支店が担当しています。夏季から秋季には、碓氷峠の旧道を経由し、観光名所「めがね橋」を通る便も運行されています。ただし、2019年度からは軽井沢地区の渋滞により、運行日が大幅に削減されています。

上信越自動車道沿線にあることから、東京と金沢を結ぶ「グランドリーム金沢号」と「青春ドリーム金沢号」を担当し、東部湯の丸サービスエリアで西日本JRバスの乗務員と交代しています。その他、高峰高原・小諸・佐久 - 新宿線や「青春ドリーム信州号」も担当しています。

毎年、長野原支店の草津温泉繁忙期輸送や中央道支店の高遠さくら祭り輸送に応援へ行っています。

施設の老朽化と敷地の狭隘化に対応するため、2018年6月1日に小諸市から購入した与良町の「ふれあいプラザ小諸 ViO」跡地に移転しました。隣接地に高速バス利用者向けの駐車場も設けられ、利便性の向上が図られています。

長野県内の観光地を巡る定期観光バスも積極的に運行しており、2018年度には「信濃路めぐり号」、2019年度には「善光寺・戸隠と小布施号」を運行しました。2021年度には、中国JRバスのオープントップバス「めいぷるスカイ」を借り受け、清里高原と軽井沢町で運行しました。

2018年6月の移転に伴い、新支店には車両整備ピットが設置されていないため、車検整備などは長野原支店などに委託しています。

長久保営業所では、和田峠北線と長和町から委託される町営巡回バスを担当しています。上田～長久保間はJRバス関東の一般路線バスとして、長久保から先はJRバス関東に運行委託する長和町営バスとして直通運行されています。2019年4月4日のダイヤ改正により、日中帯の一部便は丸子中央病院～上田間の運行がなくなり、上田へは千曲バスに乗り換える必要があります。ただし、朝夕の便は従来通り上田まで運行されます。長久保営業所の職員数は8人（うち女性1人）（2020年3月13日現在）と小規模です。

2020年4月1日現在、22台（高速車4台、一般路線車9台、貸切登録車9台（通園バス2台を含む））が配置されています。以前は日産ディーゼル製がメインでしたが、近年は中古車両の導入も増えています。

2023年2月には、小諸市と共同で中国BYD社製の小型EVバスを1台購入し、「e-ミライ号」として市コミュニティバスで運行しています。

沿革

1945年（昭和20年）11月1日：岩村田自動車区を開設。
1956年（昭和31年）12月10日：小諸自動車営業所を開設し、岩村田自動車営業所と下諏訪自動車営業所長久保支所が小諸自動車営業所の支所となる。
1958年（昭和33年）4月1日：岩村田支所が派出所となる。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道関東自動車事業部小諸自動車営業所に改称。
1988年（昭和63年）4月1日：バス部門分割子会社化により、ジェイアールバス関東小諸営業所に改称。
1989年（平成元年）5月1日：JRバス関東の組織替えにより小諸支店に改称。長野原支店の管轄だった真田支所（→真田営業所）が当支店管轄となる。
1997年（平成9年）10月1日：碓氷線運行開始。
2004年（平成16年）12月18日：鹿沢菅平線全線、白樺高原線の佐久平駅 - 東白樺湖間などを廃止。
2009年（平成21年）10月30日：高速バス小諸・佐久 - 新宿線運行開始。
2013年（平成25年）4月1日：高速バス小諸・佐久 - 新宿線の一部便を高峰温泉（冬季はアサマ2000スキー場）まで路線延長。
2015年（平成27年）10月1日：高速バス「青春ドリーム信州号」運行開始。
2017年（平成29年）
4月1日：小諸市「愛のりすみれ号」御牧ヶ原線の運行を受託。
11月6日：移転予定地にて新支店舎の建設安全祈願祭を執行。
2018年（平成30年）6月1日：小諸市紺屋町から同市与良町に移転。高速バス「佐久・小諸線」では「御幸町」停留所を廃止し、「JRバス小諸支店前」停留所を新設。
2019年（平成31年）
4月5日：定期観光バス「善光寺・戸隠と小布施号」を運行開始。
4月20日：碓氷線の旧道経由「めがねバス」を補完する形で、横川駅 - 熊ノ平駐車場間の「碓氷旧道シャトルバス」を運行開始（特定日に5往復設定）。
2020年（令和2年）10月1日：長和町内巡回バスを再編。
2021年（令和3年）
8月1日：オープントップバスで行く「信州の旅」「八ヶ岳高原コース」を運行開始。
8月20日：小諸市にて市内巡回線の試験運行を開始（受託）。主にEVバス「こもこむ号」を使用。
2023年（令和5年）2月7日：市内巡回線でEVバス新車両「e-ミライ号」を運行開始。

現在の所管路線

高速バス

佐久・小諸号（高峰高原・小諸・佐久 - 新宿線）：バスタ新宿 - 中野坂上（降車専用） - 練馬駅（区役所前） - 佐久インター東 - 岩村田駅前 - 佐久平駅（蓼科口） - JRバス小諸支店前 - 小諸駅（ - きのこの森 - 高峰マウンテンリゾート）
上下便とも上里SAで休憩。
佐久平駅～高峰マウンテンリゾート間は一般路線バスとして運転。
車両は小諸支店所属車と東京支店管理車を使用。
グランドリーム金沢号・青春ドリーム金沢号（乗務員のみ／車両は東京支店管理）：西日本JRバスと共同運行。
新宿ファンタジア号：バスタ新宿 - TDR（車両は東京支店管理）
上州ゆめぐり号の一部便

路線バス

碓氷線
直行便（横川駅 - 軽井沢駅）：貸切免許
めがねバス（横川駅 - めがね橋 - 熊の平 - 軽井沢駅）：運転日限定
碓氷旧道シャトルバス（横川駅 - めがね橋 - 熊ノ平駐車場）：運転日限定
碓氷旧道臨時直行バス（横川駅 - くつろぎの郷）：運転日限定
高峰高原線（佐久平駅 - 小諸駅 - 坂ノ上小学校 - きのこの森 - 浅間登山口 - 高峰高原ホテル前 - 高峰温泉 - 高峰マウンテンリゾート）
バスタ新宿発着の高速バスとの直通便が1往復運行。
冬期は高峰温泉を通過し、高峰マウンテンリゾートで高峰温泉送迎車に乗り換え。
バス車内で「ASAMA2000パーク割引リフト券」を販売。
冬期、積雪時はタイヤチェーン装着のバスに乗り換えの場合あり。
和田峠北線（上田駅 - 大屋駅前 - 中央病院前 - 丸子町 - 長久保）：長久保営業所が担当。
日中は中央病院前 - 長久保間の運行が主体。
長和町巡回バスとの直通便あり。
2020年4月6日より一部便をスクールバス化。
スクールバスとなる便は一般客乗車不可。
その他
小諸市 市内巡回線
長和町巡回バス「ながわごん」、通園バス（長久保営業所）
定期観光バス「パワースポット善光寺・戸隠と葛飾北斎の町小布施号」
定期観光バス オープントップバスで行く「信州の旅」
JR飯田線の鉄道代行バス
回遊軽井沢・オンデマンド交通「よぶのる軽井沢」

過去の路線

きよさと号（東京駅 - 清里・八ヶ岳高原）
つくば号（東京駅 - つくばセンター）
東京 - 吉川・松伏線（東京駅 - 吉川・松伏バスターミナル）
金沢エクスプレス号（新宿駅 - 東部湯の丸SA）
鹿沢菅平線（上田駅 - 真田 - 菅平高原）
白樺高原線
蓼科高原線
和田峠北線（長久保 - 上和田 - 美ヶ原落合）
御牧ヶ原線（小諸駅 - いちご平）
小諸市コミュニティーバス（小諸すみれ号）
ドリーム信州号（佐久平駅・上田駅・長野駅 - 京都駅・大阪駅）
小諸市「愛のりすみれ号」御牧ヶ原線
青春ドリーム信州号：[小諸駅]]・佐久平駅・上田駅・長野駅 - 京都駅・大阪駅・[[ユニバーサル・スタジオ・ジャパン]

車両

一般路線車

主に長久保営業所に配置。中型・大型が混在。中古車が多い。
前・中扉仕様でも中扉は締め切り、前扉を出入口として使用。
いすゞ・ガーラミオも配置。
M448-99401は元々びゅうバスカラーの専用車だったが、一般路線車に転用。
かつては西工車体の日産ディーゼル・スペースランナーが導入されていたが、現在は全て廃車。
過去には西武バスや東京都交通局からの中古車も導入。
小諸支店新車導入の日産ディーゼルRM・ワンステップ車は2023年7月に廃車。

高速車

「青春ドリーム信州号」や「高峰・小諸 - 新宿線」用のハイデッカー車両（日野・セレガ）を配置。
4列シート、トイレ付き40座席仕様。
後部がパウダールーム仕様の車両も配置。
配置台数が少ないため、新宿線には東京支店の車両や貸切登録車も使用。
H657-16417はJR東日本長野支社の観光キャンペーンのラッピングがされていた。

貸切車

ハイデッカー車を配置。定期観光バスや碓氷線、スクールバスなどにも使用。
スクールバス用に4列タイプの二階建てバスも配置。
碓氷線は道路事情により立ち席が危険なため、貸切免許で運行。
座席数が多い長尺車を使用。交通バリアフリー法の適用外。
2021年からは三菱ふそう・エアロエースがメイン。
碓氷線と群馬県安中市内の私立高校のスクールバスのセット運用あり。
季節運行の旧道経由「めがねバス」は中型車を使用。
びゅうバスカラーの日野・セレガも使用。
長和町の通園バスはマイクロバスを使用（専用カラー）。
2021年夏から二階席オープントップの二階建てバス「めいぷるスカイ」を観光シーズンに期間配置。
2021年度には小諸市からのワクチン接種会場への送迎バスを受託し、マイクロバスなどを運行。
碓氷線で活躍した日産ディーゼル＋西工ボディのバスは2021年9月をもって引退。

コミュニティバス

小諸市の市内循環線は2023年2月からEVバス（中国・BYD製J6）で運行。
長和町巡回バスは町が所有する日野・ポンチョとトヨタ・ハイエースを使用。

付帯事業

小諸支店構内でWeb予約制駐車場をタイムズと管理・運営。
長久保営業所で月極駐車場を管理・運営。

特記事項

JRバス関東の営業所で唯一、エリア内に高速バス路線がなかったため、東京支店への乗務員派遣という形で高速バスに関わっていた。現在は、小諸・佐久 - 新宿線などの運行に携わっている。

脚注

バスラマ・インターナショナル48号「ユーザー訪問：ジェイアールバス関東」
バスジャパン・ハンドブック「18 ジェイアールバス関東」
* バスジャパン・ニューハンドブック「37 ジェイアールバス関東」

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