ジョン・ギボン (将軍)

ジョン・ギボン（1827年4月20日 - 1896年2月6日）は、アメリカ陸軍の職業軍人であり、南北戦争では北軍の将軍として名を馳せ、その後はインディアン戦争でも活躍しました。

初期の経歴

ギボンはペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれ、幼少期にノースカロライナ州へと移住しました。1847年に陸軍士官学校を卒業後、第3アメリカ砲兵隊に配属されました。米墨戦争には参加したものの戦闘には遭遇せず、その後はフロリダ州南部でセミノール族インディアンとの和平維持に努めました。ウェストポイントでは砲兵戦術を教え、その際に執筆した『砲兵のマニュアル』は、南北戦争で両軍に採用されるほどの重要な著作となりました。1855年にはフランシス・モールと結婚し、4人の子供をもうけました。

南北戦争

南北戦争勃発時、ギボンはユタ準州で第4アメリカ砲兵連隊の大尉として勤務していました。彼の家族には南軍に仕える者もいましたが、ギボンは合衆国への忠誠を貫き、北軍に加わりました。当初は砲兵隊の指揮を執っていましたが、1862年には志願兵の准将に任命され、ウィスコンシン旅団（後の鉄の旅団）の指揮官となりました。ギボンは部隊を厳しく訓練し、独特の黒い帽子を着用させたことから、その部隊は「ブラックハット旅団」として知られるようになりました。その後、サウス山の戦いでの突撃の際に、兵士たちが「鉄のように戦った」と叫んだことから「鉄の旅団」と呼ばれるようになりました。ギボンはアンティータムの戦いまでこの旅団を率いましたが、その後は師団長へと昇進しました。

フレデリックスバーグの戦いでは負傷し、一時的に戦線を離脱しました。その後、息子の死という悲劇に見舞われましたが、すぐに戦線に復帰。ゲティスバーグの戦いでは、ピケットの突撃を迎え撃つ重要な役割を果たし、再び負傷しました。戦後は、オハイオ州クリーブランドの徴兵所を指揮し、ゲティスバーグ戦没者国立墓地の除幕式にも出席しました。

その後、ギボンは再び師団長として前線に復帰し、荒野の戦い、スポットシルバニア・コートハウスの戦い、コールドハーバーの戦いなどに参加しました。ピーターズバーグ包囲戦では、部隊の戦闘拒否に失望する場面もありましたが、その後は新設された第24軍団を指揮し、南軍の防御線を突破する重要な役割を担いました。アポマトックス方面作戦では、南軍の退路を遮断し、南軍降伏の際には交渉代理人の一人となりました。

インディアン戦争

南北戦争後も軍に留まったギボンは、大佐として1876年のスー族インディアンに対する作戦に参加しました。リトルビッグホーンの戦いでは、カスター中佐率いる部隊が壊滅した際、包囲されていた部隊の救出に貢献しました。翌年には、ビッグホールの戦いでネズ・パース族との戦闘に参加し、大きな損失を出しながらも、敵の攻撃に耐え抜きました。

その後の経歴と退役

1884年にはプラット方面軍の指揮官を一時的に務め、1885年には准将に昇進し、太平洋岸北西部軍を指揮しました。1886年にはシアトルで発生した反中国人暴動を鎮圧するために戒厳令を布告しました。1891年に年齢制限のため退役しました。退役後は、鉄の旅団協会の会長を務めたほか、アメリカ合衆国ロイヤル・リージョン軍人会の総司令官にも就任しました。また、1886年にはウェストポイントで卒業記念講演を行いました。

死と遺産

ギボンは1896年にメリーランド州ボルティモアで亡くなり、アーリントン国立墓地に埋葬されました。彼は『砲兵のマニュアル』のほか、『南北戦争の個人的な思い出』や『西部辺境での冒険』などの著作を残しました。また、多くの雑誌や機関紙に寄稿し、西部での出来事や先住民族政策についての意見を述べました。1988年には、ゲティスバーグの戦いで負傷した場所近くに銅像が建てられました。ギボンは映画『ゲティスバーグ』にも登場しています。

ジョン・ギボンは、南北戦争とインディアン戦争の両方で重要な役割を果たし、その軍事的才能とリーダーシップは高く評価されています。

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