ジョン・ハガー

ジョン・ハガー：レスリング界の変幻自在な闘士

ジョン・ハガーは、1977年4月20日ジョージア州アトランタ生まれのアメリカ人プロレスラーです。華麗なるキャリアは、WCW（World Championship Wrestling）でのデビューから始まりました。WCWパワープラントでポール・オーンドーフ氏の下、鍛錬を積んだ彼は、1999年、リングネーム「ジョニー・ザ・ブル」としてWCWの舞台に立ちます。ビッグ・ヴィトーとのイタリア系アメリカ人タッグチーム「ママルークス」での活躍や、「ナチュラル・ボーン・スリラーズ」の一員としての活躍は、彼の才能を印象付けるものとなりました。

WCW崩壊後、ハガーはWWE（当時WWF）と契約を結びます。しかし、期待された「アライアンス」への参加は叶わず、HWA（ヒール・ユニットのFBI（Full Blooded Italians）を結成し、ジ・アンダーテイカーらとの抗争を繰り広げました。この頃には、自身の体格を遥かに凌駕するリキシを持ち上げるなど、驚異的なパワーを見せつけ、観客を圧倒しました。

2004年、WWEを解雇されたハガーは、全日本プロレスに参戦。マスクマン「GREAT MUTA」として、ラブマシンズの一員として活躍します。本家グレート・ムタとの異色対決は大きな話題を呼びましたが、敗北を喫しました。その後、戦力外通告を受け、再び自身のリングネーム「ジョニー・スタンボリー」に戻り、TARUと「VOODOO-MURDERS」を結成。さらに、かつてWCWで共闘したチャック・パルンボとFBIを再結成し、タッグを組む機会も多くありました。

全日本プロレスを離れた後も、ハガーのレスリング人生は続きます。NWE（Nu-wrestling Evolution）でパルンボと再びFBIを結成、CMLLではマーク・ジンドラックとタッグを組みました。アリゾナ州のインディー団体IZW（Impact Zone Wrestling）では、映画『シャイニング』の殺人鬼をモチーフにした怪奇派マスクマン「レッドラム」として活動。そして、TNA（Total Nonstop Action Wrestling）では、レッドラムをベースにした怪奇派マスクマン「レリック」として活躍しました。

2007年には、WWEのスマックダウン！にリングネーム不詳で出場し、レッドラムの姿でチャボ・ゲレロを破るというサプライズもありました。WWEからの再雇用オファーを断った後も、Lucha Libre USAやFSW（Future Star of Wrestling）、EXW（Elite Xtreme Wrestling）などのインディー団体に参戦し、レリックやジョニー・ザ・ブルとして活躍を続けました。

ハガーのキャリアにおいては、リングネームの変遷も注目に値します。ジョニー・ザ・ブル、ジョニー・スタンボリー、ジョニー・ザ・ブル・スタンボリー、GREAT MUTA、レッドラム、レリックと、常に新しいキャラクターに挑戦し続けてきました。

得意技としては、フィニッシャーであるデーモン・ドライバー（スパイク・リバース・パイルドライバー）、シックル、ランニング・ラリアット、ジェノサイド・ドライバー、ミリタリー・プレス（旧名：フォーゲット・アバウト・イット）、ダイビング・レッグドロップ、スイングDDT、そしてパルンボとの合体技「キス・オブ・デス」などがあります。

輝かしいキャリアの中で、ハガーは数々のタイトルを獲得しました。WWEハードコア王座（3回）、WCW世界タッグ王座（2回）、WCWハードコア王座（1回）、HWAヘビー級王座（2回）、IZWヘビー級王座（1回）など、その実力は多くのタイトル獲得によって証明されています。

ジョン・ハガーは、多様なリングネームとキャラクター、そして卓越した技で、プロレス界に大きな足跡を残したレスラーと言えるでしょう。彼の活躍は、これからも多くのプロレスファンを魅了し続けることでしょう。

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