スズキ・パレット

スズキパレット：多彩な魅力を持つ軽トールワゴン

スズキパレットは、2008年から2013年まで製造・販売されていた軽トールワゴンです。ダイハツ・タントの成功に対抗すべく開発され、広い室内空間と使い勝手の良さを追求したモデルとして登場しました。

概要

パレットは、2400mmのホイールベースを持つ新プラットフォームを採用し、これにより広い室内空間を実現しました。また、軽自動車としては初の両側スライドドア（ターボモデル「TS」は両側電動式）を採用し、後席へのアクセスを容易にしました。このプラットフォームは、後のワゴンR、ラパン、アルトにも採用され、スズキの軽自動車戦略において重要な役割を果たしました。

しかし、パレットはスズキが自社生産した軽自動車の中で、一代限りで生産終了した6車種目となりました。

初代 MK21S型 (2008年 - 2013年)

年表

2007年 11月: 第40回東京モーターショーに標準モデルが参考出品。
2008年 1月24日: 正式発表、1月30日に販売開始。月間販売目標は6000台と発表。
グレード: 自然吸気モデル「XS」「X」「G」、インタークーラーターボモデル「TS」「T」が設定。「XS」「TS」「T」には、ディスチャージヘッドランプ、エアロパーツ、フォグランプ、14インチアルミホイール、タコメーターが標準装備されました。駆動方式は、「XS」がFFのみ、その他はFFとフルタイム4WDが選択可能。
エンジン: 全車K6A型エンジンを搭載。自然吸気VVTエンジン（54ps）とマイルドターボエンジン（60ps）の2種類。トランスミッションは4ATのみでした。
足回り: フロントスタビライザーと専用のリアサスペンションを採用し、ロール抑制と乗り心地を両立。
装備: 全車に電動格納式ドアミラー、ABS、シートリフター、チルトステアリング、シートベルトアンカーアジャスター、自発光式メーター、バニティーミラーを標準装備。スズキ初のETC車載器取付スペースも設置されました。「T」「TS」には両側、「X」「XS」には助手席側に電動スライドドアを装備。「G」を除く全車にサイドエアバッグが標準装備され、「TS」には軽自動車初のサイドカーテンエアバッグも搭載されました。キーレスプッシュスタートシステム、オートライトシステム、フルオートエアコンも装備され、先進的な装備が充実していました。
2008年 12月18日: 特別仕様車「G-Limited」を発売。キーレスプッシュスタートシステム、スライドドアイージークローザー、専用CDプレーヤーなどを装備。

2009年9月17日: 一部改良で2型に。派生モデル「パレットSW」を追加。トランスルーセントタイプのヘッドランプガーニッシュや大開口ロアグリルを採用し、スポーティなデザインに。同時に、標準車「G」とSWの「GS」を除く全車に副変速機構付CVTを搭載。これにより、発進加速と燃費性能が向上しました。ターボエンジンも64psのスポーツターボに変更。バックモニター付CDプレーヤーをオプション設定。ボディカラーやグレード体系も変更。
2009年12月1日: 日産へOEM供給を開始し、ルークスとして販売。
2010年 5月1日: 仕様変更で、4ATモデルを廃止し、全車CVT化。SW「TS」のハイグレードサウンドシステムも廃止。
2010年 8月20日: 一部改良で3型に。副変速機構付CVTを改良し燃費向上。エコドライブインジケーターを新設。標準車にはターボモデル「T」が復活。パワースライドドアは助手席側のみに。
2010年 11月25日: 標準車とSWに特別仕様車「リミテッド」を発売。それぞれに専用の装備やカラーを設定。
2011年11月21日: 特別仕様車「リミテッドII」を発売。両側パワースライドドアを装備し、内装もバージョンアップ。
2012年 2月27日: 一部改良で、エンジン制御の見直しやCVTフルードの変更により、燃費を向上。
2012年 6月18日: 一部改良で4型に。SW「XS」にアイドリングストップシステムを追加。特別仕様車「ISセレクション」を発売。乗降グリップやISOFIX対応チャイルドシート固定用アンカーを新たに採用。
2012年6月26日: マツダへOEM供給を開始し、フレアワゴンとして販売。
2013年2月26日: 後継車種となるスペーシア発表に伴い生産終了。

車名の由来

「パレット」という名前は、画材のパレットに由来しています。絵の具がパレットの上で多彩な色を生み出すように、パレットが様々なライフスタイルを楽しむことができるクルマであることを意味しています。また、派生モデルであるパレットSWの「SW」は、「Super Wagon」の頭文字をとったものです。

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