ソウシジュ

ソウシジュ（相思樹）について

ソウシジュ（学名: Acacia confusa）は、マメ科ネムノキ亜科に属する常緑樹です。台湾やフィリピンを原産とし、日本では緑肥としての利用を目的に導入されましたが、繁殖力が強く野生化が進んでいます。現在では、小笠原諸島や沖縄諸島でその姿を見ることができます。別名として、タイワンヤナギ、タイワンアカシアとも呼ばれています。

特徴

ソウシジュの樹冠は散開形をなし、葉は退化して細長い偽葉のみを持っています。偽葉は長さ6〜11cm、幅5〜8mm程度で、葉身は発達しません。花は球状の頭花で、鮮やかな黄色をしており、甘い香りを放ちます。日本では4月から5月にかけて開花し、実は扁平状で暗褐色に熟します。種子は楕円形で黒紫色をしています。

石灰岩質の土壌を好み、サビキン目によるさび病が発生しやすいのが特徴です。さび病の防除には、感染した偽葉の焼却やボルドー液の散布が有効です。

分類と名称

ソウシジュは、マメ目マメ科ネムノキ亜科アカシア属に分類されます。学名はアメリカの植物学者エルマー・ドリュー・メリルによって命名されました。和名としては「ソウシジュ」が一般的ですが、沖縄では「ソーシギ」や「ソーシジ」とも呼ばれます。英語では「small Philippine acacia」と称されます。

利用

ソウシジュの木材は非常に硬く、加工が難しい反面、建築材や薪炭材として利用されてきました。また、枝葉は緑肥として活用されるほか、防風林や街路樹としても植えられています。

注意点：ソウシジュには幻覚作用のあるジメチルトリプタミン（DMT）が含まれています。過去には、乾燥させたソウシジュの破片を煮出して茶にする説明書を同梱して販売した者が、麻薬取締法違反のほう助容疑で逮捕された事例があります。DMTは日本の麻薬取締法で麻薬に指定されていますが、ソウシジュ自体は麻薬に指定されていません。しかし、その利用には注意が必要です。

文化

台湾では、ソウシジュは街路樹や観賞用として広く植えられており、人々に親しまれています。台湾の俳人の間でも人気があり、1904年に台湾で初めて創刊された俳誌は『相思樹』と名付けられました。この俳誌は、台湾俳壇の礎を築く上で重要な役割を果たしました。

物語

「相思樹」という名前には、悲恋の物語が由来しています。4世紀に書かれた『捜神記』には、戦国時代の宋の時代に、主君に妻を奪われた夫婦が、死後、墓から生えた木となり、互いに寄り添うように枝を伸ばしたという話が語られています。この物語が「相思相愛」や「鴛鴦の契り」の由来となりました。

この物語に登場する木は、書物によって「梓」「文梓」「桂樹と梧桐樹」と異なっていますが、日本では『曽我物語』に影響を与えたとされるものの、物語の中に「相思樹」は登場しません。

その他

かつて鹿児島県佐多町では、ソウシジュを「町の木」としていました。

ソウシジュは、その美しい姿と、文化的な背景から、人々に愛される樹木です。

関連情報

建築材料: ソウシジュの木材は、建築にも利用されてきました。
薪: 薪炭材としても優れています。
緑肥: 枝葉は、緑肥としても活用されています。
防風林: 防風林としても利用されることがあります。
街路樹: 街路樹としてもよく植えられています。
帰化[[植物]]: 日本に帰化した植物の一つです。
茶外茶: 薬草茶として使われることもあります。
エルマー・ドリュー・メリル: ソウシジュの学名を命名した植物学者です。

外部リンク

ソウシジュ／沖縄県 - 沖縄県庁のソウシジュ紹介ページ
ソウシジュ | おきなわの木 - 沖縄県森林管理課のソウシジュ紹介ページ

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