ソグド州

ソグド州：タジキスタンの北西部、多様な文化と歴史が交錯する地

ソグド州は、タジキスタンを構成する4つの州の一つで、同国の北西部に位置しています。州都はホジェンドで、かつてはレニナバード、レニノボード、ソグドと名を変えてきた歴史があります。面積は約26,100平方キロメートル、人口は約187万人（2000年調査）です。

地理

ソグド州は、ウズベキスタンのジザク州、ナマンガン州、サマルカンド州、フェルガナ州、キルギスタンのバトケン州と複雑に入り組んだ国境線を持ちます。シルダリヤ川が地域を流れ、重要な水源となっています。また、トルキスタン山地が連なり、自然豊かな景観を形成しています。

歴史

ソグド州は、古代ソグディアナとして知られる地域の一部であり、シルクロードの要衝として栄えました。ソグド人は交易に長け、東西文化の交流に大きく貢献しました。イスラム化以前は、ゾロアスター教、マニ教、ネストリウス派キリスト教、仏教など、多様な宗教が信仰されていました。

行政区分

ソグド州は、14の地区に区分されています。

北部
アシュト地区
ガフロフ地区
ガンチ地区
ザファロバード地区
イスタラフシャン地区
イスファラ地区
カニバダム地区
マストチョフ地区
スピタメン地区
ジャボール・ラスロフ地区
シャフリスタン地区

南部
アイニ地区
クーヒスターニ・マストチョフ地区
パンジケント地区

主要都市

ホジェンド：州都。重要な経済・文化の中心地です。
チカロフスク
ガフロフ
イスファラ
イスタラフシャン（ウラ・チューベ）
カニバダム
パンジケント
ヴォルフ

産業

ソグド州は、農業、鉱業、軽工業などが盛んです。特に、綿花、果物、野菜の栽培が主要な産業となっています。また、鉱物資源も豊富で、採掘が行われています。

住民

民族

主な住民はタジク人で全体の84%を占め、次いでウズベク人が14%を占めます。その他、ロシア人、ドンガン人、タタール人などが居住しています。ヤグノビ渓谷に住むヤグノビ人は、古代ソグド人の末裔であり、独自の文化と言語を保持しています。

言語

ヤグノビ語は、山間部で細々と保たれてきたソグド語の末裔です。かつてソグドで使用されていたソグド文字は、ウイグル文字やモンゴル文字に発展しましたが、現代では使われていません。公用語はタジク語で、ロシア語も民族間の共通語として広く使用されています。

宗教

かつてのソグド人は、ゾロアスター教、マニ教、ネストリウス派キリスト教、仏教など多様な宗教を信仰していました。現代ではイスラム教スンニ派が多数を占めますが、ゾロアスター教の風習も一部残っています。

交通

M34ハイウェイ（ドゥシャンベ - タシュケント間）がソグド州を通過し、タジキスタンの首都ドゥシャンベとウズベキスタンの首都タシュケントを結んでいます。

関連項目

en:Anzob

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