ラオスの交通

ラオスは内陸国であり、海に面した港湾を持たないため、輸出入は主に陸路で周辺国を経由して行われています。また、メコン川を利用した水運も重要な役割を果たしています。近年では、道路、鉄道、空港などの交通網整備が進められており、経済発展を支える基盤となっています。

道路

ラオスでは、右側通行が採用されています。2013年のデータによると、主要な道路は国道として整備されており、アジアハイウェイの一部を構成する路線も含まれています。以下に主な国道を挙げます。

国道13号線：
北線：中国国境からヴィエンチャンを結ぶ主要路線で、アジアハイウェイ12号線の一部。
南線：ヴィエンチャンからカンボジア国境に至る路線で、アジアハイウェイ11号線の一部。
国道1号線：中国国境からカンボジア国境を結ぶ、ラオス東部を縦断する路線。
国道2号線：ベトナム国境からタイ国境を結び、アジアハイウェイ13号線の一部。
国道3号線：中国国境からタイ国境を結ぶ、南北経済回廊の一部で、アジアハイウェイ3号線。
国道4号線：ルアンパバーンとタイ国境を結ぶ路線。
国道5号線：サイソムブーン県とベトナム国境を結ぶ路線。
国道6号線：フアパン県とベトナム国境を結ぶ路線。
国道7号線：ルアンパバーン県とベトナム国境を結ぶ路線。
国道8号線：ボーリカムサイ県とベトナム国境を結ぶアジアハイウェイ15号線の一部。
国道9号線：サワンナケートとベトナムのラオ・バオを結ぶ東西経済回廊の一部で、アジアハイウェイ16号線。
国道10号線：ヴィエンチャン周辺を結ぶ路線。
国道11号線：ヴィエンチャンとサイニャブーリー県を結ぶ路線。
国道12号線：ターケークとベトナム国境を結ぶ路線。
国道14号線：チャンパーサック県内のメコン川沿いを縦断する路線。
国道15号線：ナポンとベトナム国境を結ぶ路線。
国道16号線：タイ国境からベトナム国境に至る路線。
国道17号線：ルアンナムター郡とシェンコックを結ぶ路線。
国道18号線：チャンパーサック県とベトナム国境を結ぶ路線。
国道19号線：中国国境からベトナム国境を結ぶ路線。
国道20号線：パクセーとサーラワンを結ぶ路線。

これらの国道は、ラオスの主要都市を結び、周辺国との貿易や人々の移動を支えています。また、メコン川に架かるタイ＝ラオス友好橋などの国境を跨ぐ橋を通じて、タイとの陸路での往来も盛んです。

高速道路

2020年12月には、中国ラオス高速道路の一部区間（ヴィエンチャン-ヴァンヴィエン間109km）が開通しました。この高速道路は全線4車線で、制限速度は区間によって異なり、乗用車と商用車で設定されています。有料道路であり、通行料金は距離に応じて設定されています。

都市交通

都市部では、トゥクトゥクが主要な交通手段でしたが、近年では配車アプリの利用が増加しています。ビエンチャン市では公共バスも利用可能で、タクシーも営業しています。地方都市では、小規模な民間会社が運営するバスステーションが利用されています。

水運

ラオスの水運は、主にメコン川とその支流を利用しており、総延長は4,600kmに及びます。さらに、喫水0.5m未満の小型船舶が航行可能な区間も2,900kmあります。メコン川沿いには21か所の港があり、主に地方政府が管理しています。

メコン川北部では、400DWT以上の船舶が一年中航行できますが、他の地域では200DWT以下の船舶に制限されています。主に農工生産物や砂石、木材製品などの輸送に利用され、ラオス国内だけでなく、中国、ミャンマー、タイとの国際輸送も行われています。ラオスは内陸国であるため、ベトナムやタイの港を利用した海運も行っています。また、ラオスは外航船舶を2隻所有しており、瀾滄江-メコン川での商業航行に関する協定も結ばれています。

鉄道

ラオスには、タイのノーンカーイ駅とターナレーン駅を結ぶ単線非電化路線がかつて唯一の路線でしたが、2021年12月には中国ラオス鉄道が開業し、ヴィエンチャンと昆明を結ぶ国際鉄道路線が誕生しました。この鉄道は標準軌を採用し、2023年にはタナレーン駅からヴィエンチャン駅までの延伸も開業しました。今後は、タイやベトナムへの路線延伸も計画されています。

空港

ラオスには、2012年時点で42か所の空港があり、そのうち9か所は舗装された滑走路を持っています。舗装された滑走路を持つ空港のうち、3か所は2,438m〜3,047mの滑走路を有し、3か所は1,524m〜2,437mの滑走路、残りの3か所は914m〜1,523mの滑走路を有しています。また、未舗装の滑走路を持つ空港の中には、1,524m〜2,437mの滑走路を持つ空港が2か所ありますが、残りの多くは914m以下の短い滑走路です。

パイプライン

現在、ベトナムのホンラー港からラオスのタケークまでの石油パイプラインの建設が計画されており、備蓄基地の建設も予定されています。

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