タデ科

タデ科について

タデ科（タデか、Polygonaceae）は双子葉植物の一群で、約50から60の属と1100種にわたる多様性を誇ります。中でも、エリオゴヌム属（Eriogonum）には約250種、ギシギシ属（Rumex）には約200種、ハマベブドウ属（Coccoloba）には約130種、イヌタデ属（Persicaria）には約100種が所属しています。かつては300種を含むタデ属（Polygonum s.l.）が存在していましたが、現在は約8つの属に分類されています。日本には約70種が自生または帰化しており、3～12属が確認されています。

特徴

タデ科の植物は多くが草本または低木であり、一部にはつる性のものも見受けられます。これらの植物は主に北半球の温帯地域に分布しており、ユニークな花の形状と構造を持っています。花は子房が上位に位置し、放射相称型で、花被片は4から6個で構成されており、萼と花弁の区別はありません。花序は総状または穂状で、果実は偏平または3稜形を呈し、通常は種子を1個保持します。また、托葉があり、鞘状に茎を抱くことが多いですが、大きく広がるものもあります。

系統

タデ科は大きくタデ亜科（Polygonoideae）とEriogonoideaeに分かれ、それぞれの亜科はさらに細分化されています。ただし、より基盤的な系統に属するいくつかの属は詳細な位置づけが未だに確定しておらず、新たに提唱された新亜科Symmerioideaeも含まれています。この科全体は、イソマツ科と姉妹群に位置づけられ、従来のクロンキスト体系ではタデ目として分類されていましたが、新たなAPG植物分類体系ではナデシコ目に組み込まれています。

主な属と種

タデ亜科には、ミューレンベッキア属（Muehlenbeckia）、ソバカズラ属（Fallopia）、イタドリ属（Reynoutria）などが含まれ、特にイタドリは日本では山菜として人気です。さらに、ギシギシ属（Rumex）やダイオウ属（Rheum）などの種も経済的に重要です。Eriogonoideaeの中では、エリオゴヌム属（Eriogonum）が代表的な属となります。

利用

タデ科の植物は、特に穀物であるソバが経済的に重要であり、野菜や香辛料として利用されるルバーブやヤナギタデは食用としても重宝されます。また、薬用としてダイオウ（大黄）やツルドクダミ（何首烏）が用いられることもあります。日本では雑草とされるスイバやイタドリが山菜として親しまれ、染料としてアイが利用されることもあります。さらに、中国の漸江省では、伝統的な老麺法における発酵のスターターとして活用されています。

参考文献

佐竹義輔、大井次三郎著、北村四郎他編『日本の野生植物 草本II離弁花類』平凡社、1982年。

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