ツ部

ツ部について

ツ部（つぶ）は、漢字を部首ごとに分類した際に用いられる一種のグループです。この部首は康熙字典やその他多くの戦前の漢和辞典には見当たらないため、比較的最近創設されたものと言えます。部首におけるツ部の位置づけは、一般的に3画の部首の中では最後尾に配置されることが多く、形が似ている小部の後に置かれる場合も見受けられます。

ツ部の歴史と進化

戦後に制定された当用漢字の影響を受けて、一部の漢字は新字体に変更されました。その際、旧字体に存在していた部首の形が失われた漢字も登場しました。これに伴い、部首の位置が変更される必要が生じました。結果として、検索をより容易にするために、漢字の一部に「ツ」が冠する形で収録される新たな部首としてツ部が登場したのです。このような新たに創作された部首は「新部首」とも呼ばれています。

ツ部の通称と例字

日本では、この部首は「つ」または「つかんむり」と呼ばれています。ツ部に属する漢字としては、以下の4文字がよく収録されています。

• - 単（單）: 旧部首は口部（十部）
• - 巣（巢）: 旧部首は巛部（木部）
• - 営（營）: 旧部首は火部（口部）
• - 厳（嚴）: 旧部首は口部（攴部・厂部）

さらに、ツ部に含まれる新字体の漢字には以下のようなものもありますが、これらは旧字体でも同じ部首に分類されています。

• - 労（勞）: 力部
• - 学（學）: 子部
• - 挙（擧）: 手部
• - 栄（榮）: 木部
• - 蛍（螢）: 虫部
• - 覚（覺）: 見部
• - 誉（譽）: 言部

また、異体字として「鼡（鼠）」も確認されていますが、こちらは鼠部とされます。

ツ部自体の存在

特筆すべきは、単独で「ツ」という漢字は存在しないことです。ただし、Unicodeでは「CJK部首補助」のカテゴリにおいて、ツ部に関連する「⺍」が小部の一変形として登録されており、2016年にはCJK統合漢字拡張Fにも同様の字形の漢字が追加されました。これにより、ツ部はデジタル表現の場でも重要な役割を果たしています。

まとめ

ツ部は、漢字の部首における新たな試みの一つと言えるでしょう。部首の整理や分類は、漢字の理解を助けるために重要な要素であり、ツ部のような新部首の創造により、より多様な表現が可能になりました。同様に、ツ部以外にもソ部や䒑部、ク部、マ部など、一部の漢和辞典で新たに設けられた部首が存在します。今後も漢字に関連するさまざまな研究が進む中で、ツ部の役割が引き続き重要視されていくことでしょう。

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