ディオゴ結城

ディオゴ結城（ディオゴ ゆうき、1574年 - 1636年2月16日）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての人物で、カトリック司祭、イエズス会士として知られています。号は了雪。彼は激動の時代において、信仰を貫き、人々に希望を与え続けました。

生涯

1574年、ディオゴ結城は阿波国または河内国で誕生しました。1586年、彼は摂津国高槻にあった司祭養成学校（セミナリヨ）に入学し、勉学に励みました。しかし、翌年、豊臣秀吉の命令によりセミナリヨが移転を余儀なくされ、ディオゴは長崎で幽閉されることになります。しかし、彼はこの困難な状況下でも信仰を捨てず、幽閉先から脱出しました。

1595年、ディオゴは天草でイエズス会に入会。河内浦にあった司祭養成の高等機関（コレジオ）で学び、1601年には伊東マンショ、中浦ジュリアンと共にマカオに渡り、司祭になるための勉学を続けました。このマカオでの経験は、彼の信仰をさらに深めることになったでしょう。

帰国後、ディオゴは主に畿内を中心に活動し、1607年には伏見の教会の仕事を担当。同年には徳島藩主・蜂須賀家政、平島公方・足利義種にキリスト教の教えを説きました。しかし、その後の幕府によるキリスト教禁制により、1614年に高山右近らと共にマニラへ追放されることになります。マニラではイエズス会学校で勉学を続け、同地で司祭に叙階されました。

1616年、ディオゴは禁教下の日本で活動するため、極秘裏に長崎に上陸。その後、陸路で京へ向かい、再び畿内において司祭として信徒たちを訪ね、秘蹟を授け、教え励ます活動を再開しました。その活動は四国や江戸にまで及んだとされています。1619年に京で発生した「都の大殉教」では、ベント・フェルナンデス神父やミカエル草庵と共に、残った信者たちを励まし、殉教者の遺体を葬りました。

しかし、幕府による宣教師捕縛が強化される中、ディオゴは山中で隠れて生活をしていましたが、1635年に阿波国大坂峠で捕縛されました。翌1636年、大坂で穴吊りの刑に処され、その3日後に殉教しました。彼の生涯は、信仰の強さと、困難に立ち向かう勇気の象徴と言えるでしょう。

没後の動き

2008年11月、ディオゴ結城は長崎で「福者」に列せられました（ペトロ岐部と187殉教者）。また、2014年8月には「阿南市の先覚者たち（第一集）」にその業績が収録され、後世に語り継がれています。

出自について

徳島県那賀川町町史編纂室が発見した系図によると、平島公方・足利義種の妻・祐賀は、周暠の孫とされています。また、この系図には、祐賀に3人の兄（光義、秀景、朝能）がいたことも記されています。光義は文禄・慶長の役で戦死したとされ、朝能は「結城喜太郎」と注釈されており、ディオゴ結城（了雪）と同一人物である可能性が高いと考えられています。

関連項目

日本のキリシタン一覧
結城了悟（スペイン生まれのイエズス会司祭。キリシタン史研究者。帰化名はディオゴ結城に由来。）

外部リンク

* 大坂の最後の宣教師　ディオゴ結城了雪 - カトリック中央協議会

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