伊東マンショ

伊東マンショの生涯と業績

伊東マンショ（いとう マンショ、1569年 - 1612年）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した日本のキリシタンであり、天正遣欧少年使節の首席正使として名を馳せました。彼の本名は伊東祐益（いとう すけます）で、洗礼名としてマンショと呼ばれました。

幼少期と背景

伊東マンショは、日向国の都於郡城で誕生しました。彼は伊東祐青を父に持ち、母は伊東義祐の娘でした。8歳の頃、家族は島津氏の侵攻を受け、耐え切れずに豊後国に避難します。この時、マンショは家臣の田中金太郎に背負われて無事に逃げ延びました。この避難先で、彼はキリスト教と出会い、信仰に目覚めます。

マンショは、その後肥前国のセミナリヨに入学し、司祭を志します。ここで彼は巡回師のアレッサンドロ・ヴァリニャーノと出会い、彼の計画の一部としてローマに派遣されることになります。その際、大友宗麟の名代として選ばれたのです。

ヨーロッパへの派遣

天正18年（1590年）、マンショは他の3人の少年と共に日本を出発し、イタリアへ向かいました。彼らは途中で様々な国々を訪れ、特にトスカーナ大公国では大公妃と舞踏会を楽しんだという記録があります。この旅は、マンショにとってのみならず、他の使節たちにとっても貴重な経験となりました。そして、成長した彼らは日本に戻り、豊臣秀吉と会見を果たします。

日本帰国後

秀吉はマンショに仕官を勧めましたが、彼は司祭としての道を選び、その後も勉学を続けます。マンショは文禄2年（1593年）にイエズス会に入会し、神学を学ぶためにマカオへ存知しました。彼は司祭としての地位を確立し、原マルティノや中浦ジュリアンと共に叙階されます。

その後、マンショは長崎で教壇に立ちましたが、慶長16年（1611年）に細川忠興によって追放され、長崎へと逃れます。彼はその地でも教育に尽力しましたが、慶長17年に病に倒れ、51歳で生涯を閉じました。

書状疑惑と歴史的評価

マンショが大友宗麟の名代として選ばれたことについては議論があります。実際には、彼が持っていたとされる宗麟の書状が古い署名であったために、真偽が疑問視されています。このため、マンショの派遣に至った真実の経緯については研究が続いています。

肖像画の発見

近年、マンショの肖像画がイタリアで発見され、2016年には東京国立博物館で公開されました。これにより、彼の記録と業績が再評価され、彼の存在を知るための貴重な資料となっています。

結論

伊東マンショの生涯は、キリシタンとしての信仰と教育活動を通じて、当時の日本とヨーロッパをつなぐ架け橋となりました。彼の業績は後の世代に多大な影響を与え、信仰と文化の交流を促進しました。その足跡は、歴史の中で重要な位置を占めています。

もう一度検索