ディスク・オリジナル・グループ

ディスク・オリジナル・グループ（DOG）について

ディスク・オリジナル・グループ（通称：DOG）は、1986年7月14日にスクウェアが提唱した、日本国内の主にパソコンゲームを開発していた7社で構成される連合体です。このグループは、ファミリーコンピュータのディスクシステム向けソフトの開発を主としており、多くの新規オリジナル作品を世に送り出しました。

概要

DOGには、スクウェアを除く6社が参加していましたが、すべての企業が結成時にはファミコン市場に未参入でした。これらの企業は、コンピュータRPGやアドベンチャーゲームといったジャンルで活躍しており、パソコンゲームの黎明期から貢献してきた実績があります。スクウェアはこのグループの幹事企業として、全てのタイトルの販売や流通を管理していました。この背景により、著作権表記も開発元企業名にフォーカスされ、スクウェア名義で販売されるソフトは同社が直接開発した作品のみとなっていました。

さらに、DOGに参加していたスクウェアやキャリーラボ以外の5社は、パソコンゲーム市場で共同プロジェクト「Session61」にも名を連ねており、大作ソフトの開発に協力していました。しかし、ファミコンコンソールへのリリース準備が整う前に、既にファミコン市場に参入したボーステック、BPS、システムソフトなどはいずれもDOGには参加しなかった点に注目すべきです。

全社ともに最低1タイトルを開発していましたが、1988年頃からROMカートリッジの容量増加とバッテリーバックアップによるソフト開発の変革が進み、ディスクシステムの開発は次第に縮小していきました。内外の経済情勢や技術的変化が影響し、このプロジェクトは自然消滅の道をたどりました。

開発されたタイトル

DOGはその名の通り、ほとんどのソフトウェアを新作として開発し、僅かに『アップルタウン物語』や『ムーンボールマジック』などが既存PC作品を再構築した形でリリースされました。それらの中でも『ディープダンジョン』シリーズ（ハミングバードソフト）が特に成功を収め、唯一シリーズ化されたタイトルとして知られています。この成功が影響を及ぼし、同社が開発した『ラプラスの魔』も、類似システムを採用した作品として市場に登場しました。

参加企業の現在

ディスク・オリジナル・グループに参加していた企業は、以下の7社です。ついに2021年現在、システムサコムとマイクロキャビンの2社のみが生き残り、両者ともにゲームソフトの開発から撤退しています。また、スクウェアはエニックスと合併し、現在ではスクウェア・エニックスとして知られています。

主要なタイトル一覧

以下は、DOGに参加していた企業が発表した主なタイトルです。

• - スクウェア

- 水晶の龍
- とびだせ大作戦
- アップルタウン物語
- クレオパトラの魔宝

• - キャリーラボ

- ハオ君の不思議な旅

• - クリスタルソフト

- カリーンの剣

• - システムサコム

- ムーンボールマジック

• - シンキングラビット

- 磁界少年メット・マグ

• - ハミングバードソフト

- ディープダンジョンシリーズ
- ディープダンジョン 魔洞戦記
- 勇士の紋章 ディープダンジョンII

• - マイクロキャビン

- 亜空戦記ライジン

発売中止作品

中には開発途中で中止となった作品も存在し、特にスクウェアがかつて計画していた『聖剣伝説 -THE EMERGENCE OF EXCALIBUR-』は、5部作の第1作として1987年に発売される予定でしたが、最終的には中止となりました。興味深いことに、この名称は1991年にリリースされたゲームボーイ用ソフトのために再利用され、以降のシリーズ作品が続いていくことになりますが、元の作品内容との関連性はありません。

ディスク・オリジナル・グループがもたらした影響や貢献は、今後も日本のゲーム産業の歴史の中で重要な位置を占めていくことでしょう。

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