デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル

デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル (DPi) について

デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル（DPi）は、2017年に国際モータースポーツ協会（IMSA）によって導入された競技用スポーツカーのカテゴリーです。この取り組みは、IMSAスポーツカー選手権において、量産自動車製造者が参加しやすい環境を整えることを目的としています。

DPiの背景と目的

DPiは、IMSAが管理する選手権の上位シリーズであるル・マン地域シリーズに対応するために設計されました。IMSAは、自動車メーカーの参加を促進するために、国際自動車連盟（FIA）とフランスの西部自動車クラブとの協議を通じてこの新たなカテゴリーを設立しました。また、DPiは以前のデイトナ・プロトタイプ（DP）に代わる形で、2016年にその歴史を終えました。

DPiは、量産自動車製造者が「ル・マン」プロトタイプ2（LMP2）をベースに、自社開発のエンジンとボディパネルを用いて構築されることが求められます。このため、競技運営側はIMSAが最新の高性能なクラスとして位置付け、参加者は自己のチームを編成して競技に臨むことが可能です。

規定と車両仕様

DPiは主にLMP2の規定に準じており、これにより車両のシャシは国際モータースポーツ連盟およびフランスの西部自動車クラブによって認可されたものを使用する必要があります。使用するシャシのメーカーは、フランスのオンローク・オートモーティブやオレカ、イタリアのダラーラ、そしてアメリカのライリー・テクノロジーズやカナダのマルチマティック社が含まれ、これらのメーカーが提供するシャシはそのまま使用することが定められています。

ボディデザインに関しては、車両の中央部とリアウイングを除くほぼすべての部分が改変可能であるため、自社の市販車と共通性を持たせた独自のデザインを施すことができます。ただし、既存のグランドツーリングクラスでの承認車両と同様の形状を持たないことが義務付けられています。

エンジンと燃料

DPiに用いられるエンジンは、量産自動車メーカーが自由に選択可能です。ターボチャージャー等の過給装置を使用することも許可されており、制御装置（ECU）についても同様です。最高出力はおおむね600英馬力（447キロワット）以上を目指しており、競技においては圧倒的なパフォーマンスが期待されます。燃料は、VPレーシングフューエルズが供給する、バイオマスエタノールを20パーセント混合したIMSA指定のガソリンを使用します。

タイヤ供給

また、DPiの競技用タイヤは、2019年度からミシュランが独占供給することとなっています。

参加メーカー

DPiの参戦には、ゼネラルモーターズ、日産自動車、マツダの三社が導入初年度から参加し、2018年には本田技研工業も加わりました。これらのメーカーは、それぞれの技術を駆使して競争に挑んできました。

今後の展望

DPiは導入初年度から継続的に進化を遂げており、2023年からはル・マン・デイトナ・hへと移行することが発表されています。この移行は、今後のモータースポーツシーンに新たな展開をもたらすことでしょう。競技者とファンが共に楽しむ新しいスタイルの運営が期待されています。

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