デイヴ・スピッツ

デイヴ・スピッツ：音楽、武道、法律の世界を駆け抜ける異才

デイヴ・スピッツ（Dave Spitz、1958年2月22日生まれ）は、アメリカ合衆国出身のミュージシャンであり、ベーシスト、空手家、そして弁護士という多岐にわたる顔を持つ人物です。彼は、ブラック・サバスやグレイト・ホワイトといった著名なロックバンドでの活動で知られています。また、アンスラックスで活躍したダン・スピッツは実弟にあたります。

多彩な才能の芽生え

1958年、ニューヨーク州フォレストヒルズで生まれたスピッツは、父親が弁護士という家庭環境で育ちました。音楽への興味は幼少期から芽生え、ジャック・ブルースに影響を受けてベースを始めます。さらに、14歳からはチャック・メリマンに師事し、剛柔流空手を習得。武道家としても才能を発揮し、大会にも出場しました。

ニューヨーク州立大学ジェネセオ校に進学後、スピッツはフリーウェイやバズーレオなどのバンドで音楽活動を展開します。これらの活動を通じて、彼はミュージシャンとしての基礎を築き上げました。

ロックシーンでの活躍

1985年、スピッツはホワイト・ライオンに加入し、音楽キャリアを本格化させます。翌年には、ブラック・サバスのアルバム『セヴンス・スター』にゲスト参加。このアルバムは当初、トニー・アイオミのソロ・アルバムとして計画されていましたが、レーベル側の意向によりブラック・サバス名義でリリースされました。この参加を機に、スピッツはホワイト・ライオンを脱退し、ブラック・サバスに正式加入します。

しかし、1987年にはボーカルのグレン・ヒューズが突然脱退。後任としてレイ・ギランを推薦した後、スピッツは「個人的な理由」でバンドを脱退します。脱退後にリリースされた『エターナル・アイドル』では、ボブ・デイズリーと共にクレジットされていますが、実際にはデイズリーが全曲のベースを演奏しました。

その後、1988年にはインペリテリに加入し、1990年末まで活動。1992年には、グレイト・ホワイトのアルバム『サイコ・シティ』のレコーディングにセッション参加し、1996年のアルバム『レット・イット・ロック』にも参加しました。

その他、インソムニア、ニュークリア・アソルト、パープル・ハート、クーニ、マクブレイン・ダメージ（アイアン・メイデンのドラマー、ニコ・マクブレインのバンド）など、数多くのバンドで活動しました。

武道への情熱、そして法律の世界へ

ブラック・サバスでの活動後、スピッツはカリフォルニアで再び空手の修行を始めます。国際沖縄剛柔流空手道連盟（IOGKF）創設者の東恩納盛男のもとで修行を続け、黒帯を取得しました。音楽活動と並行して武道にも打ち込む姿勢は、彼のストイックな一面を物語っています。

1996年、スピッツはフロリダへ移住し、ノバ・サウスイースタン大学のロースクールに入学。1999年に卒業し、現在は弁護士として活躍しています。音楽、武道、そして法律という、一見すると関連性の薄い分野で才能を発揮するスピッツのキャリアは、彼の多才さを示す何よりの証拠と言えるでしょう。

デイヴ・スピッツは、音楽家、武道家、弁護士という３つの顔を持つ、まさに異色の才能の持ち主です。彼の多彩な活動は、多くの人々に刺激と感動を与え続けています。

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