トゥアティエン＝フエ省

トゥアティエン＝フエ省

トゥアティエン＝フエ省は、ベトナムの中北部に位置する省であり、その省都はフエ市です。この地域は、歴史的に重要な役割を果たしてきました。

地理

省は北中部に位置し、東はバクボ湾に面しています。北はクアンチ[[省]]、南はクアンナム[[省]]およびダナン市と接しており、西はラオスと国境を接しています。この地理的な位置は、古くから交易や文化交流の要所としての役割を担ってきました。

この省には、世界遺産にも登録されている「フエの建造物群」があります。この建造物群は、かつてベトナム最後の王朝であった阮朝の都が置かれていた場所であり、その歴史的な価値は非常に高いものです。なお、「故都」とは、中国の故宮を意識したもので、フエを指す枕詞であり、古都という意味ではありません。

歴史

7世紀頃から、この地域はチャンパ王国の中心地の一つとして栄えました。1306年には、チャンパと大越の政略結婚の代償として、大越陳朝の領土に編入され、ホア州が置かれました。フエという地名は、この「ホア」が訛ったものと言われています。17世紀には、地方領主の広南阮氏によってトゥアンホア都城が築かれ、19世紀初頭には、越南阮朝の都であるフースアン京が置かれました。

インドシナ戦争

インドシナ戦争中には、多くの宮殿がフランス軍との戦いで損傷を受けました。1954年以降、これらの宮殿は、トゥーズー皇后やベトナム共和国考古院などによって修復されました。

ベトナム戦争

ベトナム戦争中は、南北ベトナムに分断されていたため、この地域は南ベトナムの北端近くに位置する大学都市として、多くの知識人が集まりました。フエ大学は、現在でも7つの単科大学と高等専門学校からなる大規模な大学です。1968年のテト攻勢では、フエ旧市街が激戦地となり、多くの知識人や僧侶が虐殺されました。その後、解放軍が逃走した際には、容共派の知識人や学生が虐殺されるという悲劇も起こりました。この混乱の中で、北ベトナムに逃亡した学生の中からは、後のフエの有力政治家も輩出されました。ベトナム戦争中、多くの宮殿は半壊状態のまま放置されていましたが、近年、修復が進められています。

現在、修復が進められている建造物のほか、宮廷音楽や宮廷料理など、多くの無形文化財が残されています。

隣接行政区画

ダナン市
クアンナム[[省]]
セーコーン県（ラオス）
サーラワン県（ラオス）
クアンチ[[省]]

行政区画

トゥアティエン＝フエ省は、以下の行政単位に区分されます。

市

フエ市

市社

フオントゥイ市社
フオンチャー市社

県

フーヴァン県
クアンディエン県
アルオイ県
ナムドン県
フォンディエン県
フーロック県

住民

民族

キン族、タオイ族、コツ族、ブル族、ホア族などが居住しています。

言語

フエ方言は、ダナン方言と同様に、声調が曖昧であることで知られています。このため、外国人にとっては比較的習得しやすい方言とされていますが、一般のベトナム人にとっては理解しにくい方言とされています。

宗教

この地域の宗教については、詳しい情報が不足しています。

交通

フエ駅
東西経済回廊

脚注

（情報はWikipediaに基づいています。）

関連項目

* ベトナムの地方行政区画

2025年1月1日をもって、トゥアティエン＝フエ省はフエ市に改編される予定です。これにより、省の行政区画は大きく変更されることになります。

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