ナコーンパトム駅

ナコーンパトム駅は、タイ王国中部のナコーンパトム県ムアンナコーンパトム郡に位置する、タイ国有鉄道南本線の重要な駅です。県庁所在地の中心部に位置しており、地域住民にとって非常に利便性の高い駅となっています。

概要

ナコーンパトム駅は、ムアンナコーンパトム郡の中心部に位置しており、約27万人が暮らす地域を支える重要な交通拠点です。バンコクのクルンテープ駅からは、普通列車を利用しておよそ1時間30分程度で到着でき、運賃も14バーツ（約35円）と手頃です。このため、バンコクからの日帰り旅行や通勤・通学にも利用されています。

歴史

ナコーンパトム駅の歴史は、1903年6月19日にタイ国鉄南本線の最初の区間であるトンブリー駅（現在のバンコク・ノイ駅）からペッチャブリー駅までの開通とともに始まりました。この開業は、タイの鉄道網の発展において重要な一歩となりました。

その後、1994年から2004年にかけて、タイ国鉄の主要幹線の改良工事が行われ、南本線のバーンスー分岐駅（現在のバンスー中央駅）から当駅までの区間（56.70km）が複線化されました。同時に、この区間は自動信号（CTC）システムが導入され、列車の運行効率と安全性が大幅に向上しました。

駅構造

ナコーンパトム駅は地上駅で、単式ホーム1面と島式ホーム1面を有しています。駅構内には、上下本線がそれぞれ1本ずつ敷設されているほか、本線の外側には貨物側線が設けられています。副本線と貨物側線の間には信号扱所があり、列車の安全な運行を管理しています。

この駅は、バンスー分岐駅から続くCTCによる自動信号方式と、当駅以南のチュムポン駅まで続く連査閉塞方式の境界となっています。そのため、駅の西側（スンガイコローク方面）には信号境界のための待機側線が設けられています。連査閉塞方式では、1駅区間が1閉塞区間として扱われるため、先行列車が次の駅に到着するまで後続列車は進行できません。

駅周辺

ナコーンパトム駅周辺には、以下のような主要な施設や観光スポットがあります。

ワット・プラパトムチェーディー: 駅の近く（約300m）にあるこの寺院は、高さ120.45mの世界一高い仏塔「プラ・パトムチェーディー」で知られています。観光客にとって必見の場所です。
バスターミナル: 駅からは約1kmの場所にあり、周辺地域へのアクセスに便利です。
ミットパイサンホテル（林道安大旅社）: 駅舎の正面に位置するホテルで、宿泊施設として利用できます。

参考文献

柿崎一郎『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘『タイ国鉄4000キロの旅』（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
* タイ国有鉄道南本線

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