ノースライナー (北海道)

ノースライナーは、北海道の主要都市である旭川市と帯広市の間を結ぶ、道北バス、十勝バス、北海道拓殖バスの3社が共同で運営する都市間急行バス路線です。この路線には主に二つのルートがあり、雄大な狩勝峠を越える「ノースライナー」と、標高の高い三国峠を通過する「ノースライナーみくに号」が運行されています。

沿革

このバス路線の歴史は1989年（平成元年）12月22日に始まります。当時は道北バスと北海道拓殖バスの2社による共同運行で、1日に2往復が設定されていました。

1994年（平成6年）8月11日には、新たに十勝バスが運行事業者に加わり、共同運行体制が3社となりました。同時に、運行本数も1往復増やされ、合計3往復体制となりました。
1995年（平成7年）6月1日、三国峠の道路舗装工事が完了したことを受けて、三国峠を経由する新たなルートとして「ノースライナーみくに号」の運行が開始されました。こちらは当初2往復が設定されました。
その後も、利用者の利便性向上や地域交通網の変化に対応するため、停車するバス停の変更が度々行われています。2002年（平成14年）12月1日には、狩勝峠ルートに「御影」、三国峠ルートに「幌加温泉入口」という停留所が新設されました。
特に、2003年（平成15年）10月1日には、かつて士幌線糠平～十勝三股間を結んでいた代替バスが廃止されたことを受け、三国峠ルートに「十勝三股」停留所が設けられ、幌加温泉入口～糠平・帯広方面間での乗り降りが可能となりました。
2007年（平成19年）8月11日には、狩勝峠ルートで「旭川医大前」や「富良野駅前」など複数の停留所が新設される一方、「富良野協会病院」は廃止されました。三国峠ルートでも旭川市内に新しい停留所が追加されています。同年12月23日には「旭川駅前」の乗り場位置が変更されました。
運行本数にも変更があり、2010年（平成22年）7月1日には三国峠ルートの「ノースライナーみくに号」が1往復減便され、全体の運行本数は狩勝峠ルート3往復、三国峠ルート1往復の合計4往復となりました。
その後も、旭川市内や上川、上士幌などで停留所の移転や名称変更、経路の変更が行われています（2011年、2013年、2018年）。
2021年（令和3年）7月1日には、狩勝峠ルートに「旭川空港」停留所が新設され、一方「新得役場」停留所は廃止されて「新得駅前」に改められました。また、三国峠ルートでは「層雲峡BT」での休憩時間が設定されるなど、運行形態の調整も行われました。
2022年（令和4年）4月1日には、「音更更葉園前」が「道の駅おとふけ」に変更され、三国峠ルートも「競馬場前」「柏林台南町2丁目」を経由するよう経路が変更されました。
そして、2024年（令和6年）4月1日、JR北海道根室本線（富良野～新得間）の廃止に伴う代替交通手段としての役割を担うため、狩勝峠ルート便が大幅に増強され、2往復が追加されました。これにより、狩勝峠ルートは5往復体制となりました。また、この増便に合わせて、道の駅南ふらの～新得間に「落合」停留所が新設され、「美瑛」停留所も「美瑛駅前」に移設・名称変更されています。

運行経路・停留所

2024年（令和6年）4月現在、運行ルートは前述の通り狩勝峠経由と三国峠経由の二つです。JR根室本線の一部廃止を受け、狩勝峠経由便は山部駅～新得駅前間の廃止区間において、特別な乗降扱い（乗車・降車ともに可能）が設定されています。同様に、三国峠経由便は、かつての国鉄士幌線代替バスが廃止された区間にあたる十勝三股～五ノ沢間において、乗車・降車が可能な扱いとなっています。

運行本数・所要時間

運行本数（2024年4月現在）：狩勝峠経由が1日5往復、三国峠経由が1日1往復です。
所要時間（2022年4月現在）：狩勝峠経由便は約4時間10分、三国峠経由便は約4時間25分です。これには途中休憩時間が含まれます。

運賃

運賃は2020年4月1日に改定されています。詳細な運賃については各社にお問い合わせください。

その他

この路線は座席指定の予約制が採用されており、利用の際は事前に予約が必要です。バス会社の窓口などで受け付けています。なお、道北バス発行のDoカードや、拓殖バス、十勝バスの一般路線バス用の回数券は、この都市間バス路線では利用することはできません。

特定の利便性向上策として、2010年7月からは糠平・士幌・上士幌方面と帯広を結ぶ路線バスと、狩勝峠経由のノースライナーを乗り継ぐことができる「セット券」が発売されています（要事前購入）。また、2022年4月からは、帯広駅および上士幌交通ターミナルに限り、ぬかびら源泉郷との間での相互乗降が可能となる特例措置が講じられています。

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