ノーンプラードゥック駅

ノーンプラードゥック駅

ノーンプラードゥック駅は、タイ王国中部のラーチャブリー県バーンポーン郡に位置するタイ国有鉄道南本線の駅です。この駅は、タイ国鉄の駅の中でも珍しく3つの路線が乗り入れています。ただし、乗り入れている列車は普通列車のみで、特急や急行などの優等列車は停車しません。

駅名の「ノーンプラードゥック」は、タイ語で「鯰（ナマズ）の沼」という意味を持ちます。

乗り入れ路線

ノーンプラードゥック駅には、以下の3つの路線が乗り入れています。

1. 南本線: タイ国有鉄道の主要路線であり、バンコクとタイ南部を結んでいます。
2. ナムトック支線: カンチャナブリー方面へ向かう支線で、週末には観光列車が運行されます。
3. スパンブリー支線: スパンブリーへ向かう支線で、現在は運行本数が非常に少なくなっています。

ナムトック支線

ナムトック支線では、週末限定で観光列車が運行されています。下り909列車と上り910列車は、フワヒン方面への911列車、912列車と併結運転され、当駅で分割・併結が行われます。

スパンブリー支線

スパンブリー支線は、輸送密度が非常に低いことで知られています。過去には特急列車も運行されたことがありますが、現在は普通列車が1日1往復のみの運転です。2022年3月時点では、下り355列車が日曜日に、上り356列車が月曜日に運転される週1往復体制となっています。他の曜日には、当駅を終点・起点とするバンコク方面への列車が運転されています。

また、2022年3月22日からは、スパンブリー支線では初となる貨物輸送実験が開始されました。

歴史

1903年6月19日: 南本線のトンブリー - ペッチャブリー駅間が開通し、当駅も開業しました。
1942年: 第二次世界大戦中に、大日本帝国陸軍により泰緬鉄道の建設が開始されました。泰緬鉄道は、当駅から分岐するナムトック支線の一部を利用しています。
1963年6月16日: スパンブリー支線が開業しました。当初、スパンブリー駅からさらに北本線バンパワイ駅への延伸計画がありましたが、実現していません。

開業年表
1903年6月19日：旧トンブリー駅 - ペッチャブリー駅間 (150.49km)
1949年6月24日：ノーンプラードゥック分岐駅 - カーンチャナブリー駅間 (52.85km)
1963年6月16日：ノーンプラードゥック分岐駅 - スパンブリー駅間 (77.41km)

計画

現在、南本線（ナコーンパトム - チュムポーン間）の複線化事業が進行中で、2023年の完成が予定されています（2021年時点）。

また、スパンブリー支線の延伸計画や、ノーンパクチー停車場から北本線マップラーチャン駅に至るバイパス新線構想も存在します。この計画は、ナムトック支線の改良計画も兼ねており、当駅は引き続き本線接続駅としての役割を担う予定です。

駅構造

駅は、単式ホームと島式ホームの複合型で、2面2線の地上駅です。駅舎はホームに面して建てられています。

駅周辺

駅周辺は民家が多く、比較的閑散としています。しかし、南本線の複線化事業に伴い、工事車両基地が設置されています。

参考文献

岡本和之『タイ鉄道旅行』（めこん、1993年）ISBN 4-8396-0080-5
杉本聖一『魅惑のタイ鉄道』（玉川新聞社、2000年）ISBN 4-924882-29-1
柿崎一郎『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘『タイ国鉄4000キロの旅』（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
* タイ国有鉄道南本線

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