スパンブリー駅

スパンブリー駅は、タイ王国中部のスパンブリー県ムアンスパンブリー郡に位置する、タイ国有鉄道南本線スパンブリー支線の駅です。スパンブリー県は県庁所在地であり、16万7千人が暮らす地域にあります。スパンブリー支線はタイの路線の中では比較的新しい部類に入りますが、それでも開通から約50年が経過しています。

駅の構造としては、単式ホーム1面1線の地上駅ですが、側線や機回し線も備わっています。駅舎はホームに面しており、その北側には機回しや留置のための引き上げ線が延びています。引き上げ線の終端部には、マライメン停車場が設けられており、ここでも旅客の取り扱いが行われます。このため、「スパンブリー線の実際の終着駅はマライメン停車場である」といった記述が一部に見られますが、厳密にはマライメン停車場はスパンブリー駅の構内施設であり、利用者の便宜のために設けられた客扱い設備です。これらの表現はやや誇張されたものと言えるでしょう。

マライメン停車場は、主要街道であるマライメン通りに近く利便性が高い一方、駅舎前には何もありません。中心部からは約3km離れています。かつては特急列車も運行されていましたが、現在は1日1往復の普通列車のみが運行されています。

スパンブリー支線の起点であるノーンプラードゥック駅から当駅までは、タイ国鉄における単線最長閉塞区間（77.41km）となっています。また、かつては当駅から北本線のバーンパーワーイ駅までの接続計画もありましたが、実現には至っていません。

歴史

スパンブリー駅の歴史は以下の通りです。

1903年6月19日：旧トンブリー駅 - ノーンプラードゥック分岐駅間が開業（64.19km）
1963年6月16日：ノーンプラードゥック分岐駅 - スパンブリー駅間が開業（77.41km）

駅構造

スパンブリー駅は、単式ホーム1面1線の地上駅です。駅舎はホームに面しており、北側には機回し線と留置線があります。引き上げ線の終端にはマライメン停車場があります。

駅周辺

スパンブリー駅周辺には、以下のような施設があります。

スパンブリー市街地：駅から3〜4kmほど離れています。
スパンブリー工科大学：駅から2.5kmの場所にあります。
スパンブリーバスターミナル：駅から4kmの場所にあります。
マライメン通り：マライメン停車場に接する主要道路で、駅よりも歴史が古く、開通当初から重要な道路として利用されてきました。通りと停車場の名前は、かつての道路管理局長に由来します。
国道3431号線：駅の真裏を通る道路で、市街地方面へ向かっています。
パイクワーン交差点：駅から真東4kmに位置する立体交差で、アジアハイウェイ1号線の一部である国道33号線の起点です。ただし、アジアハイウェイとしてはサラブリー県ノーンケー郡ヒンコン以東が該当し、そこで国道1号線と交わり北上します。
カセサート大学 スパンブリーキャンパス（計画）：駅から8kmの場所に建設が予定されています。

参考文献

岡本和之　『タイ鉄道旅行』　（めこん、1993年）ISBN 4-8396-0080-5
杉本聖一　『魅惑のタイ鉄道』　（玉川新聞社、2000年）ISBN 4-924882-29-1
柿崎一郎　『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』　（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘　『タイ国鉄4000キロの旅』　（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
タイ国有鉄道
タイ国有鉄道北本線
* タイ国有鉄道南本線

もう一度検索