ハウステンボス (列車)

特急「ハウステンボス」



特急「ハウステンボス」は、九州旅客鉄道（JR九州）が博多駅とハウステンボス駅の間を、鹿児島本線、長崎本線、佐世保線、大村線を経由して運行する特急列車です。長崎県佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」へのアクセス列車として、1992年3月25日に運転を開始しました。

概要



ハウステンボスの開業に合わせて運行を開始した特急「ハウステンボス」は、テーマパークへの主要なアクセス手段として、多くの観光客に利用されてきました。運行開始に先立ち、同年3月10日にはハウステンボス駅が開設され、早岐駅 - ハウステンボス駅間が電化されました。大村線に乗り入れる最初の特急列車としても知られています。

運行概況



2024年3月現在、定期列車は1日5往復運行しています。土曜日、休日、春休み、夏休み、冬休み期間などには、臨時列車が2往復増発されます。

全ての定期列車は、博多駅 - 早岐駅間で特急「みどり」と併結して運行されています。号数は「みどり」に合わせているため、「ハウステンボス」の号数には欠番が生じています。2011年3月11日までは、一部列車が博多駅 - 肥前山口駅（現在の江北駅）間で「かもめ」とも併結し、3列車連結という形態で運転していました。

臨時列車



ハウステンボスで大規模なイベントが開催される際には、臨時列車が運行されることがあります。毎年1月1日の早朝に運行される列車は、かつて「ハウステンボスカウントダウン号」という別名で呼ばれていましたが、2019年からは「ハウステンボス」として運行されています。また、増発される列車の中には、「みどり（リレーかもめ）」と併結する列車があり、この場合、「ハウステンボス（リレーかもめ）」として運行されます。

ハウステンボスリレー号



2017年11月30日まで、早岐駅 - ハウステンボス駅間では、シャトル列車「ハウステンボスリレー号」が運行されていました。この列車は、「みどり」と接続しており、使用車両は、キハ66・67系気動車や783系電車でした。

列車番号



定期列車の列車番号は、号数に6000Hを加えたものになります。臨時列車の場合は、1・10・91・96号を除き、号数に7000Hを加えたもの、1・10号は号数+9000H、91・96号は9033M・9034Mとなります。末尾が「H」となっているのが特徴です。

停車駅



博多駅 - 二日市駅 - 鳥栖駅 - 新[[鳥栖駅]] - （吉野ケ里公園駅）- 佐賀駅 - 江北駅 - 武雄温泉駅 - 有田駅 - 早岐駅 - ハウステンボス駅

吉野ケ里公園駅は15・38号のみ停車します。

その他、臨時停車する駅として、神埼駅（九年庵一般公開期間中）、バルーンさが駅（佐賀インターナショナルバルーンフェスタ期間中）、上[[有田駅]]（有田陶器市期間中）があります。

使用車両・編成



特急「ハウステンボス」には、南福岡車両区に所属する783系電車4両編成が使用されています。車両は中央の乗降口を境に、ハウステンボス方のA室と博多方のB室に分かれており、車内や駅で案内されています。2017年からは、当列車用の編成がリニューアルされています。

運行開始当初は485系電車3両編成でしたが、1994年3月から4両編成となり、外装も赤一色から、赤・青・黄・緑のブロックパターンに変更されました。2000年3月11日からは、全列車が783系での運行となり、同時に全列車にグリーン車が連結されました。博多方先頭車には貫通路が設けられ、「みどり」との連結時の移動が可能になりました。2011年3月12日からは、「かもめ」との併結終了により、号車番号が1 - 4号車に変更されました。

かつては、上り列車の佐賀駅→博多駅間において、1号車B室を除く普通車指定席の空席に、自由席特急券で乗車できる特例がありましたが、2018年3月の改正で廃止されました。

臨時列車では、指定車両以外が使用されることもあります。過去には、787系や883系が使用されたこともあります。


特急「オランダ村特急」



特急「オランダ村特急」は、長崎オランダ村への観光客誘致のため、1988年3月20日に小倉駅 - 佐世保駅間で運行を開始した臨時特急列車です。週末や長期休暇期間を中心に運行されていました。1989年3月11日には門司港駅発着に延長されましたが、同年4月29日からは、下り列車が485系の特急「有明」と博多駅まで併結運転するようになりました。これは、電車と気動車の動力協調運転としては世界初の事例でした。

1992年3月にはハウステンボスの開業に伴い、特急「ハウステンボス」にその役割を譲り、運行を終了しました。

停車駅



門司港駅 - 門司駅 - 小倉駅 - 戸畑駅 - 黒崎駅 - 折尾駅 - 香椎駅 - 博多駅 - 鳥栖駅 - 佐賀駅 - 武雄温泉駅 - 早岐駅 - 佐世保駅

当時「みどり」が全列車停車していた肥前山口駅や有田駅は通過していました。

使用車両・編成



キハ183系気動車1000番台が使用されていました。当初は3両編成でしたが、「有明」との併結運転開始に合わせて4両編成に増結されました。先頭車の車端部はガラス張りの展望席となっており、運転席は2階に設けられていました。外装は赤、青、白を用いたトリコロールカラーでした。

「オランダ村特急」の運行終了後、使用されていた車両は改造の上、「ゆふいんの森」に転用されました。その後、外装をトリコロール調に戻し、特急「シーボルト」として長崎地区で運行されましたが、利用不振により廃止されました。その後も改造を重ね、「ゆふDX」を経て、現在は「あそぼーい！」として豊肥本線で活躍しています。

沿革



民営化後の運行展開




特急「ハウステンボス」の主な沿革



  • - 1992年（平成4年）3月25日：特急「ハウステンボス」運転開始。当初は全列車臨時列車として運行。
  • - 1993年（平成5年）3月18日：一部列車にグリーン車を設定。
  • - 1994年（平成6年）3月1日：編成を4両とする。外装を赤・青・黄・緑のブロックパターンに変更。
  • - 1995年（平成7年）4月20日：全列車通年4両編成となる。
  • - 1996年（平成8年）3月16日：8往復が定期列車となり、エル特急の種別が与えられる。
  • - 2000年（平成12年）3月11日：使用車両を783系に変更。全列車にグリーン車を設定。定期列車を4往復に削減。
  • - 2001年（平成13年）1月1日：元日の早朝に運行される列車を「ハウステンボスカウントダウン号」の列車名で運行開始。
  • - 2003年（平成13年）3月15日：臨時列車の81号を11号に変更し「みどり」に併結。
  • - 2005年（平成15年）3月1日：車内販売の営業を廃止。
  • - 2007年（平成19年）3月18日：全車禁煙となる。
  • - 2008年（平成20年）7月ごろ：エル特急の呼称を中止。
  • - 2011年（平成23年）3月12日：「かもめ」との併結運転を終了。号車番号を1 - 4号車に変更。
  • - 2015年（平成27年）3月14日：「みどり」と併結する列車は、早岐駅 - ハウステンボス駅間がワンマン運転となる。
  • - 2017年（平成29年）3月18日：783系（ハウステンボス編成）リニューアル車営業運転開始。
  • - 2020年（令和2年）3月20日 - 6月18日：新型コロナウイルス感染症の影響により全列車運休。
  • - 2020年（令和2年）6月19日：毎日運転の5往復が運転再開。
  • - 2021年（令和3年）3月13日：臨時列車扱いだった1往復を定期列車に変更。定期列車は5往復となる。
  • - 2022年（令和4年）9月23日：西九州新幹線の開業に伴うダイヤ改正。号数の付番方法を変更。臨時列車の一部が新幹線と対面接続。



関連項目




外部リンク



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