ハビレ

ハビレ (Carcharhinus altimus)

ハビレは、メジロザメ属に属するサメで、主に熱帯および亜熱帯の海域に分布しています。このサメは非常に回遊性が強く、その生息水深は90メートルから430メートルの範囲に及びますが、夜間には海面近くに浮上する特性があります。体長は2.7メートルから2.8メートル程度で、独特の形態をしています。

特徴

ハビレは、前鼻弁が明瞭で、長く幅広い吻をもち、三角形の上顎歯を特徴とします。胸鰭は長くて幅広く、背鰭間には隆起が見られるのが特徴です。深海で底生生物を主な餌とし、貝類や軟体動物も食べることがあります。ハビレの繁殖は胎生で、妊娠期間は約10か月で、通常は3匹から15匹の仔を出産します。人間に対しては危険性は低いとされています。

分類と歴史

1950年に専門家のスチュアート・スプリンガーによって最初に学術的に記載され、初めて発表された際はEulamia altimaという名称でした。しかしその後、この属はCarcharhinus属に移され、現在の名称が確立されました。種小名のaltimusは、ラテン語で「深い」を意味するaltusに由来しており、ハビレが深い海底に生息することを指し示しています。

分布

ハビレは、世界中の熱帯水域で疎らに確認されています。大西洋ではデラウェア湾からブラジル、地中海、西アフリカ沖、インド洋では南アフリカやマダガスカル、紅海、インドおよびモルディブなどで確認されます。太平洋では、中国からオーストラリア、ハワイの周辺、カリフォルニア湾やエクアドルにかけて目撃されています。特にフロリダ沖やバハマにおいては、比較的目にする機会が多く、しかしブラジルの海域では珍しいとされています。

生態と行動

ハビレの生態は興味深いもので、主に底生生物を食べるため、エソやニベ科、カレイ、アカグツなどの硬骨魚、また軟骨魚類やイカなども捕食します。さらに、仔魚同士の共食いも見られることがあります。繁殖住居としては地中海やマダガスカルの沖合があり、出産時期は地域によって異なります。性成熟は雄で約2.2m、雌で2.3mになった時点で達成され、平均的に21年間繁殖能力を保ちます。

人との関係性

ハビレは、サイズが大きいことから人に対する危険性が懸念されますが、実際には人間が遭遇する機会は少ないとされています。商業漁業では、主に刺し網や底引き網で捕獲され、肝油や鮫皮、フカヒレなどに加工されていますが、アメリカでは漁獲が禁止されています。また、IUCNによると、情報が不足しているものの、繁殖能力の低さと漁獲圧が高いため注意が必要です。

まとめ

ハビレは、特異な生態と美しい形態を持つサメであり、世界中の熱帯海域で見られます。漁業が発展する中で、彼らの生息数は減少傾向にあり、持続可能な管理が求められています。このサメを保護するための措置と、それに関するさらなる研究が必要です。

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