フランシス・C・バーロー

フランシス・チャニング・バーローの生涯

フランシス・チャニング・バーロー（Francis Channing Barlow、1834年10月19日-1896年1月11日）は、アメリカの弁護士、政治家であり、南北戦争では北軍の将軍としてその名を馳せました。

生い立ちと初期の経歴

バーローはニューヨーク州ブルックリンで生まれ、ユニテリアン派の牧師を父に持ちました。幼少期は母親の故郷であるマサチューセッツ州ブルックラインで過ごしました。ハーバード大学では法律を学び、卒業時にはクラスの首席という優秀な成績を収めています。1861年に南北戦争が勃発した際には、ニューヨーク・トリビューン紙で働きながら法律実務に携わっていました。

南北戦争での活躍

1861年4月、バーローは第12ニューヨーク民兵隊に一兵卒として入隊します。これは、新婚生活をわずか一日で切り上げ、妻のアラベラ・ウォートン・グリフィス・バーローを残してのことでした。入隊後すぐに少尉に任官されましたが、所属していた連隊が3ヶ月の徴兵期間満了で解散。その後、バーローは新たな連隊に所属し、11月には第61ニューヨーク連隊の中佐となり、1862年春の半島方面作戦までには大佐に昇進しました。

バーローの初陣はセブンパインズの戦いでした。ポトマック軍第2軍団のオリバー・O・ハワード准将の旅団に所属し、七日間の戦いのグレンデイルの戦いでは、連隊が旅団の他の部隊と分断された際、単独で戦いの音のする方へ進軍、南軍の前線に突撃を仕掛けました。この時、敵軍は撤退し、バーローは落ちていた南軍旗を拾い上げました。マルバーンヒルの戦いでは、バーローの部隊は南軍の度重なる攻撃から前線を守り抜きました。

アンティータムの戦いでは、第2軍団第1師団の第1旅団を指揮。激戦地として知られる「血の道」での戦闘の中心に立ち、約300名の捕虜を捕獲する戦果を上げました。この戦闘でバーローは砲弾で顔面を、ブドウ弾で鼠径部を負傷しています。ジョン・C・コールドウェル准将は、公式報告書でバーローの武勇を称えました。

戦闘の2日後、バーローは志願兵の准将に昇進しました。バーローは、痩身で穏やかな少年のような顔立ち、そして髭のない青白い頬、細い声という、一般的な将軍のイメージとは異なる外見をしていました。制服の上着の下には、しばしばチェックのフランネル製シャツを着ており、その姿はジョージ・ミード少将の参謀官から「勝気な新聞売り」と評されることもありました。しかし、バーローは非常に攻撃的な戦士として知られていました。軍から支給された士官用の剣ではなく、徴兵された騎兵の重いサーベルを愛用し、行軍中に落伍した兵士を強打して叱責するなど、その厳格さでも知られていました。

アンティータムでの負傷により、バーローは数ヶ月間苦しみ、病床に伏せていました。1863年4月には復帰し、チャンセラーズヴィルの戦いでは、第11軍団第2師団の第2旅団を指揮しました。この戦闘では、所属する軍団が南軍のストーンウォール・ジャクソン中将の奇襲を受け壊滅状態となりましたが、バーローの旅団は第3軍団の支援を得て難を逃れました。その後、バーローは第11軍団の第1師団長に昇進し、敗北した部隊の再建を命じられます。彼は厳しい態度で部隊を統率し、兵士たちからは「小さな暴君」と陰口を叩かれることもありました。

1863年7月のゲティスバーグの戦いでは、バーローは自身の師団を率いてブローチャーズノール（現在のバーローズノール）に陣を敷きました。しかし、この陣地は突出しており、南軍のジュバル・アーリー中将の師団の攻撃を受け、大きな損害を出しました。バーロー自身も負傷し、戦場に放置されましたが、南軍のジョン・B・ゴードン少将に発見され、手当てを受け野戦病院に送られました。ゴードンはバーローの妻に面会を許可したという話が広まりましたが、事実とは異なる可能性が高いとされています。バーローはその後、北軍によって回収されました。

長期間の入院生活の後、1864年4月にバーローは復帰し、ユリシーズ・グラント中将のオーバーランド方面作戦に参加しました。荒野の戦いでは、ウィンフィールド・スコット・ハンコック少将の第2軍団で第1師団を指揮。スポットシルバニア・コートハウスの戦いでは、エモリー・アプトン大佐が考案した突撃戦術によって、南軍の塹壕線を突破する戦果を上げました。この戦闘は21時間も続く激戦となり、バーローの師団は最終的に突破に成功しました。その後も、コールドハーバーの戦いやピーターズバーグ包囲戦に参加し、1865年5月25日には志願兵の少将に昇進しました。

戦後の生活

バーローの妻アラベラは従軍看護師として献身的に働きましたが、1864年夏にチフスで亡くなりました。戦後、バーローはロバート・グールド・ショーの妹エレン・ショーと再婚しました。

バーローは1865年11月に陸軍を退役し、連邦保安官、ニューヨーク州務長官、ニューヨーク州検察長官を歴任しました。特にニューヨーク州検察長官時代には、ボス・トウィードの不正を告発するなど、正義感あふれる活躍を見せました。その後は弁護士として活動し、アメリカ法廷弁護士協会の設立にも携わりました。また、共和党員として、ヘイズ・ティルデン選挙不正事件の調査にも関わりました。

バーローはブライト病によりニューヨーク市で亡くなり、マサチューセッツ州ブルックラインのウォルナットストリート墓地に埋葬されています。

バーローの生涯は、勇敢な軍人、正義を貫く政治家として、アメリカ史にその名を刻んでいます。

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