フリー乗降制

フリー乗降制について

フリー乗降制（フリーじょうこうせい）とは、利用者が路線バスを運行中のバス停留所以外の任意の場所で乗降できる制度です。この制度は、自由乗降制（じゆうじょうこうせい）とも称されることがあります。バス事業者や適用路線によっては、降車を任意の場所で認める一方で、乗車は停留所でのみ可能とする場合もあります。この場合はフリー降車制と呼ばれ、その特定区間をフリー降車区間と呼びます。

採用地域と利用方法

フリー乗降制は、日本国内だけでなく、イギリスやオーストラリアでも「Hail And Ride」という名称で実施されている国際的に見られる運行方法です。また、日本の一部のバス事業者は、この制度を「フリーバス」と呼称しています。

利用者は、バスに乗車する際、運転手に手を挙げるなどの方式でその意思を伝えます。降車時には、停車位置の約50メートル手前までに降車ボタンを押すか、口頭で運転手に告知して停車場所を知らせます。ただし、交通法規に則り、駐停車が禁止されている場所や安全が確保できない場所では、乗降が認められません。

フリー乗降区間では、他の車両との接触を避けるため、バス事業者は車体や路上に、指定の場所以外でも停車可能である旨の案内を掲示することが一般的です。また、視界の悪い場所を走行する際には、車外スピーカーを使ってバスの接近を知らせる音楽などを流すことがあります。

運賃の取り決め

運賃に関しては、均一制ではない場合、乗降した区間の外側にある最近の停留所を基準とすることが多いです。例えば、乗車時には手前の停留所、降車時には次の停留所の料金が適用されます。

日本における主な導入事業者

日本各地のバス事業者の中には、フリー乗降制を採用しているものが多く存在します。以下に、代表的な地域とその事業者を挙げます。

• - 北海道: 厚岸町デマンドバス、阿寒バス、あつまバス、網走バス、宗谷バス、道南バスなど。
• - 東北地方: 弘南バス、南部バス、仙台市交通局、宮城交通、福島交通など。
• - 関東地方: 鹿沼市民バス、関東自動車、西武バス、都交通局など。
• - 中部地方: 新潟交通、福井鉄道バス、富士急行など。
• - 近畿地方: 湖国バス、奈良交通、京都バス、神姫バスなど。
• - 中国地方: 中鉄バス、西ノ島町営バス、中国バスなど。
• - 四国地方: 宇和島自動車、高知西南交通など。
• - 九州地方: 西日本[[鉄道]]、昭和自動車、いわさきバスネットワークなど。

かつての運用

また、過去にはフリー乗降制を実施していたけれども、現在は廃止された路線やサービスも少なくありません。近年の交通事情や利用者のニーズに応じて、柔軟に制度が見直されることが求められています。

まとめ

フリー乗降制は、路線バス利用者にとって利便性を高める重要な制度であり、地域によって様々な形で導入されています。今後もこの制度の活用が進むことで、より多くの人々が公共交通を利用しやすくなることが期待されます。

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