ブラバム・BT23

ブラバムBT23：フォーミュラ2を席巻した名車

1967年、ブラバムチームによって生み出されたブラバムBT23は、フォーミュラ2の歴史に名を刻む名車です。設計を手掛けたのは、才能あるエンジニア、ロン・トーラナック。その高い性能と信頼性から、多くのドライバーに愛され、数々の栄光を掴む原動力となりました。

優れた設計とパワフルなエンジン

BT23のシャーシは、軽量かつ高剛性の鋼管スペースフレーム構造を採用。心臓部には、当時最強と謳われた1600cc直列4気筒のフォード・コスワースFVAエンジンを搭載し、最高出力220馬力を発揮しました。信頼性の高いヒューランドFT200ギアボックスとの組み合わせにより、優れた走行性能を実現していました。サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リアに逆Aアーム式ロワウィッシュボーンとトレーリングアームを採用。前後ともにコイルスプリングとスタビライザーを装備することで、高い操縦安定性と路面追従性を実現していました。制動システムには信頼性の高い4輪ディスクブレーキを採用していました。

数々のドライバーと輝かしい戦績

BT23は、デレック・ベル、クルト・アーレンス、ピアス・カレッジ、ピーター・ゲシンなど、多くの名ドライバーによってドライブされました。特に、その高いポテンシャルを最も遺憾なく発揮したのがヨッヘン・リントです。彼は1967年シーズン、BT23を駆り、15戦中9勝という圧倒的な強さでフォーミュラ2のチャンピオンに輝きました。この成功は、BT23の高い性能とリントの卓越したドライビングスキルの融合がもたらした結果と言えるでしょう。

F1への挑戦：BT23B

BT23の成功を受け、ブラバムは改良型であるBT23Bを開発しました。最大の変更点は、エンジンです。コスワースFVAエンジンから、コヴェントリー・クライマックスFPF 2.2L4エンジンへと換装されました。このBT23Bは、1969年のF1カナダグランプリに、カナダ人プライベーターのジョン・コーズによって投入されました。しかし、残念ながらリタイアという結果に終わっています。F1での活躍は短かったものの、BT23がフォーミュラ2だけでなく、F1への挑戦という大きな舞台にも立ったことは特筆に値します。

伝説に残る名車

ブラバムBT23は、その優れた設計、高い信頼性、そして数々のドライバーによって刻まれた輝かしい戦績から、フォーミュラ2の歴史において、そしてモータースポーツの歴史において、永遠に語り継がれる伝説的な名車となりました。その存在は、後世のレーシングカー開発にも大きな影響を与えたことは間違いありません。 軽量で強力なマシンは、多くのドライバーに忘れられない経験を与え、その名を歴史に刻みました。

参考文献

Hodges, David (1990). A-Z of Formula Racing Cars. Bay View Books. ISBN 1-87097-916-8。

外部リンク

Brabham BT23 @ STATS F1
Brabham BT23B @ STATS F1

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