プエブロ (コロラド州)

コロラド州プエブロ：鉄の街から再生可能エネルギーの拠点へ

プエブロは、コロラド州南部に位置するプエブロ郡の郡庁所在地であり、同郡最大の都市です。デンバーの南約165kmに位置し、アーカンザス川とファウンテン・クリークの合流点にあります。年間降水量は約356mmと乾燥気候ではあるものの、ロッキー山脈東側の「バナナ・ベルト」と呼ばれる比較的温暖な地域に位置するため、コロラド州の他の主要都市と比べて降雪量が少ない傾向があります。プエブロは、プエブロ都市圏の中心であり、ロッキー山脈の前面都市回廊の重要な一部を担っています。

「鉄の街」から多角的な経済都市へ

かつてはアメリカ最大の製鉄都市として「鉄の街」と呼ばれていましたが、現在は電子機器や航空機産業も発展しています。また、コロラド州南東部の経済的な中継点としての役割も果たしており、「コロラド第二の都市」と称されることもあります。歴史的なアーカンザス川プロジェクトにより、美しい川沿いの遊歩道が整備され、歴史あるユニオン・アベニュー地区の魅力も向上しています。

連邦市民情報センターとプエブロの郵便番号

プエブロは、連邦市民情報センターがあることでも知られています。長年にわたり、アメリカ国民は「コロラド州プエブロ81009」という住所に情報を寄せてきました。最近では、無料電話やウェブサイトも開設され、より便利に情報へのアクセスが可能となっています。

大規模な開発計画

プエブロ市は、北部に位置する広大な土地を併合する計画を進めています。この開発により、プエブロ市の面積はほぼ2倍に拡大し、国内最大級の計画地域社会が誕生する可能性があります。住宅地域だけでなく、大規模な技術パークも含まれる予定です。

再生可能エネルギーの首都へ

プエブロは、再生可能エネルギーの中心地としての地位を確立しつつあります。風力発電機の設計・製造会社であるベスタスが、プエブロに世界最大の風力発電機タワー製造工場を建設すると発表しました。また、多くの研究でプエブロが太陽エネルギーの利用に最適な場所であるとされており、太陽光発電関連企業の進出も検討されています。

歴史

初期の交易拠点

1840年代、ジョージ・シンプソンがエル・プエブロ、すなわちプエブロ砦の建設を支援したとされています。アーカンザス川沿いに建てられた日干し煉瓦の建物は、アメリカとメキシコの国境を形成し、約1ダースの家族が住み、インディアンとの交易を行っていました。しかし、1854年、ユト族とジャカリラ・アパッチ族による襲撃を受け、砦は一時放棄されました。その後、1859年のコロラド・ゴールドラッシュによって再び重要な地点となりました。

合併によるプエブロの誕生

現在のプエブロ市は、1870年から1886年にかけて合併した4つの町（プエブロ、サウスプエブロ、セントラルプエブロ、ベッセマー）が統合されて誕生しました。合併後の市はコロラド州の重要な経済・社会の中心となり、サッチャー、オーマン、アダムスといった有力な一族が拠点を置きました。かつて「世界の鞍作りの首都」として知られていましたが、1921年の大洪水によって甚大な被害を受け、中心街の3分の1が失われました。長い間、復興に尽力し、近年ようやくその姿を取り戻しつつあります。

鉄鋼業の衰退と新たな挑戦

1970年代から1980年代にかけてアメリカの鉄鋼業が衰退し、プエブロの経済も大きな打撃を受けました。現在でも経済基盤の多様化を積極的に進めており、川沿いの遊歩道、散策道、産業パーク、そして活性化された中心街がその象徴です。

製鉄所の歴史

コロラド・フューエル・アンド・アイアンの製鉄所は、プエブロの歴史において主要な産業でした。1982年の鉄鋼市場の崩壊により衰退し、数回の破産を経て現在はロッキー・マウンテン・スティール・ミルズと名前を変えています。かつての製鉄所は、歴史的な記録を収める博物館へと生まれ変わろうとしています。

大統領の訪問

プエブロは、多くの大統領が訪れた場所でもあります。ウッドロウ・ウィルソン大統領が国際連盟加盟を訴える演説をした後、倒れたことはよく知られています。また、セオドア・ルーズベルト大統領はY.M.C.A.建設のためにプエブロを訪れ、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は副大統領時代にプエブロ自然センターでハクトウワシを放しました。その他にも、ジョン・F・ケネディ大統領、ビル・クリントン大統領など、多くの国の指導者がプエブロを訪れています。

州立病院

プエブロの歴史において重要な雇用主の一つに、州立病院があります。もともとは州全体を対象とするコロラド州精神病院でしたが、現在はコロラド・メンタルヘルス・インスティチュート・アット・プエブロとして知られています。現在、高度なセキュリティを備えた最新の施設が建設中です。

文化

イベントとフェスティバル

プエブロでは、毎年晩夏にコロラド州ステート・フェアが開催され、チリ・フェスティバルも人気です。また、全米ストリート・ロッド協会のロッキー山脈ストリート・ロッド・ナショナルズも20年以上開催されています。近年ではプロフェッショナル・ブルライダーズが後援するワイルドウェストフェアも開催され、ロデオが世界中に配信されています。

教育

高等教育機関

プエブロには、コロラド州立大学プエブロ校とプエブロ・コミュニティカレッジがあります。コロラド州立大学プエブロ校は、約6,000人の学生が在籍する総合大学であり、最近フットボールチームを再結成しました。プエブロ・コミュニティカレッジは、2年制の公立コミュニティカレッジで、コロラド州南部に3つのキャンパスを展開しています。

公立学校

プエブロ郡には13の高校があり、センテニアル高校、セントラル高校、プエブロ南高校、プエブロ東高校などが代表的です。また、ドロレス・ヒュールタ予備高校、サザン・コロラド・アーリーカレッジなど、特色のある高校もあります。

地理

プエブロは北緯38度16分1秒、西経104度37分13秒に位置し、市域面積は約117.5平方キロメートルです。

人口動態

2000年の国勢調査では、人口は約102,121人でした。2005年の推計では、104,951人に増加しています。

交通

アメリカ国道50号線と州間高速道路25号線が交わる地点であり、コロラド州で2番目に重要な交通の要所となっています。プエブロ記念空港は、市の東部に位置しています。また、プエブロ・トランシットが市内を運行しています。

著名な出身者と住人

ジャーナリストのデイモン・ラニアン、NFL選手のダッチ・クラークなど、プエブロ出身の著名人は多数います。また、名誉勲章受章者を多く輩出していることから、「英雄の都市」と呼ばれています。

その他の著名な出身者

フランク・E・エバンス、デイブ・フィームスター、キーロ・ヘンダーソン、トニー・メンデス、ジョン・メストン、デビッド・パッカード、ダナ・ペリノ、ケリー・リノ、ダン・ローワン、グラント・ウィザーズ、ジム・ビショップ、コリー・スペリーなどが挙げられます。

大衆文化

プエブロは、テレビアニメ「サウスパーク」や、ルイ・ラモールの西部小説『ミロ・タロン』、ボー・エドワーズの小説『リブ・トゥ・ライド』など、様々なメディアで取り上げられています。

姉妹都市

プエブロは、中国の濰坊市、イタリアのベルガモとルッカ・シークラ、メキシコのチワワとプエブラ、スロベニアのマリボルと姉妹都市提携を結んでいます。

このように、プエブロは、豊かな歴史、文化、そして新たな挑戦が共存する魅力的な都市です。

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