ホログ

ホログ (Khorugh) について

ホログは、タジキスタン共和国のゴルノ・バダフシャン自治州の州都であり、パミール高原の標高約2,000mに位置する町です。タジク語ではХоруғ、シュグニー語ではХарағ、ロシア語ではХорогと表記されます。人口は約28,000人で、グント川とパンジ川の合流点に開けた扇状地に広がっています。

パンジ川はアムダリヤ川の支流であり、タジキスタンとアフガニスタンの国境を成しています。この地理的な位置が、ホログの歴史と現在の状況に深く影響を与えています。

歴史

19世紀まで、ホログはブハラ・ハン国、アフガニスタンのドゥッラーニー朝、帝政ロシアといった列強の係争地でした。イギリスとのグレート・ゲームに勝利したロシアがパンジ川以北を支配し、1925年にソ連のゴルノ・バダフシャン自治州が成立すると、ホログはその州都となりました。

しかし、現在でもタジキスタンで最も貧しい地域の一つとされています。歴史的な経緯と地理的な条件が、この地域の経済状況に影響を与えていると考えられます。

交通

ホログは交通の要衝でもあります。パンジ川にはアフガニスタンへと続く橋が架かっており、パミール・ハイウェイがパンジ渓谷を抜ける地点に位置します。

パミール・ハイウェイは、ゴルノ・バダフシャン自治州の主要道路であり、タジキスタンの首都ドゥシャンベとキルギスを結んでいます。ただし、冬から春にかけては通行が非常に困難になるため、注意が必要です。近年、パミール・ハイウェイはカラコルム・ハイウェイと接続され、中国やパキスタンへの陸路も開通しました。

ホログへのアクセスについて、日本のNHKテレビ番組『天上の道を行く』では、モスクワからドゥシャンベを経由して空路でホログへ向かうルートと、キルギスのオシからパミール・ハイウェイを通る陸路が紹介されています。

市内の治安

ホログではイスラム系反政府勢力の活動が活発であり、治安状況は不安定です。2008年には警察署が2度にわたり襲撃されたほか、反政府集会も頻繁に発生しています。2011年には、裁判所の判決に不服とした集団が裁判所を襲撃する事件も発生しました。

2011年10月21日現在、日本の外務省は、ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタン国境付近について、渡航の延期を勧告しています。渡航を検討する際は、最新の情報を確認し、十分な注意が必要です。

まとめ

ホログは、パミール高原の美しい自然の中に位置する町ですが、その歴史と地理的条件から、政治的・社会的に不安定な状況が続いています。交通の要衝である一方で、治安の問題を抱えているため、訪問する際は十分な注意が必要です。

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