ポークチョップ・キャッシュ

ボビー・"ポークチョップ"・キャッシュ：波乱万丈なプロレス人生

ボビー・"ポークチョップ"・キャッシュ（Bobby "Porkchop" Cash）は、1947年10月22日、ワシントンD.C.出身のアフリカ系アメリカ人プロレスラーです。生年は1948年とも言われています。

リングネームの"ポークチョップ"は、ソウルフードの食材である骨付き豚肉に由来し、アフリカ系アメリカ人としてのアイデンティティを強調する意味が込められています。

初期のキャリア

1968年にデビュー後、地元のワシントンD.C.を拠点とするWWWFで、アル・ネルソン（Al Nelson）のリングネームで活動を開始。ベビーフェイスとして前座試合に出場し、トール・タナカ、バロン・シクルナ、ザ・スポイラー、ザ・モンゴルズ（ジート&ベポ）といった大物ヒールのジョバーを務めました。

1972年7月には、本名のボビー・キャッシュ名義で新日本プロレスに初来日し、アントニオ猪木とタッグマッチで対戦しました。その後、ポークチョップ・キャッシュ（Porkchop Cash）と改名し、カリフォルニア州ロサンゼルスのNWAハリウッド・レスリングで活躍。1974年3月22日には、ジョン・トロスを破り、NWAアメリカス・ヘビー級王座を獲得しました。同年10月には、ポークチョップ・チョイス（Porkchop Choice）の変名で再び新日本プロレスに参戦しています。

南部での活躍とブルーズ・ブラザーズ

1970年代後半からはアメリカ南部を中心に活動し、ジム・バーネットが主宰するジョージア・チャンピオンシップ・レスリングでは、1976年3月9日にトム・ジョーンズとの黒人コンビで、バリアント・ブラザーズ（ジミー&ジョニー）からNWAジョージア・タッグ王座を奪取。1978年にはテネシー州メンフィスのCWAにてロッキー・ジョンソン、1980年代初頭にはNWAミッドアトランティック地区にてアイスマン・キング・パーソンズをパートナーに、各地区で黒人タッグチームを結成し、活躍しました。

1983年からはヒールに転向し、再びメンフィスのCWAに登場。ドリーム・マシーンこと白人のトロイ・グラハムを相棒に、ブルース・ブラザーズのファッションを真似たギャングスター系タッグチーム、ブルーズ・ブラザーズ（The Bruise Brothers）を結成。ジミー・ハートをマネージャーに迎え、7月18日にはミッドサウス・コロシアムにてジェリー・ローラー&オースチン・アイドルの頂上コンビと対戦。同年10月3日にはダッチ・マンテル&ココ・ウェアを破り、AWA南部タッグ王座を獲得。以降もロックンロール・エクスプレス（リッキー・モートン&ロバート・ギブソン）やファビュラス・ワンズ（スティーブ・カーン&スタン・レーン）を相手に同王座を争いました。

王座戴冠と晩年

ブルーズ・ブラザーズ解散後、1984年下期よりベビーフェイスに戻り、アラバマのサウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリングに参戦。9月にはボリス・ズーコフからNWAアラバマ・ヘビー級王座を、翌1985年2月25日にはジミー・ゴールデンからNWAサウスイースタン・ヘビー級王座をそれぞれ奪取。アラバマでは、エース格のボブ・アームストロングや旧敵オースチン・アイドルともタッグを組んで活躍しました。

1987年には中西部のセントラル・ステーツ・レスリングにて再びヒールとなり、フラッグシップ・タイトルのNWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座を巡り、ルーファス・R・ジョーンズと黒人同士の抗争を展開。その後、1988年にはCWAに復帰し、WWFのリングにも出場。アル・ネルソン名義での新人時代と同様、アルティメット・ウォリアー、ビッグ・ボスマン、ティト・サンタナらスーパースターのジョバーを務めました。

引退後の2001年と2006年には、かつての主戦場メンフィスで開催されたイベント"Clash of the Legends"に登場しています。

獲得タイトル

NWAアメリカス・ヘビー級王座：1回
NWAアメリカス・タッグ王座：4回
NWAトライステート・タッグ王座：1回
NWA USタッグ王座（トライステート版）：2回
NWA南部タッグ王座（ミッドアメリカ版）/ AWA南部タッグ王座：3回
NWAセントラル・ステーツ・ヘビー級王座：1回
NWAセントラル・ステーツ・タッグ王座：2回
NWAジョージア・タッグ王座：2回
NWAミッドアトランティック・タッグ王座：2回
NWAアラバマ・ヘビー級王座：1回
* NWAサウスイースタン・ヘビー級王座：1回

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