ポーランド特別軍

ポーランド特別軍（Wojska Specjalne, WS）は、2007年にポーランド軍の特殊部隊を統合して設立された精鋭部隊群です。ポーランド軍の陸海空軍に所属していた特殊部隊やコマンド部隊を統合し、より効率的かつ専門的な作戦遂行能力を持つ組織として再編されました。

部隊一覧

ポーランド特別軍は、特殊作戦コマンド（Dowództwo Wojsk Specjalnych）の指揮下に複数の部隊を擁しており、それぞれが特定の任務や専門分野を担当しています。

JWグロム (Jednostka Wojskowa Grom)：
緊急対応作戦グループとして知られ、1992年に設立された対テロ特殊部隊です。通称「GROM」（ポーランド語で雷鳴の意味）として知られ、ワルシャワとグダニスクに拠点を持ち、ポーランド軍の中でも最も精鋭とされています。
JWフォルモザ(Jednostka Wojskowa Formoza)：
戦闘潜水夫部隊であり、アメリカのNavy SEALsに近い役割を担う海洋特殊部隊です。グディニャに拠点を置き、水陸両面での特殊作戦を専門としています。
JWコマンドソウ(Jednostka Wojskowa Komandosów)：
第1特殊コマンド連隊として、1965年に設立されたポーランド軍最古の特殊部隊です。ルブリニエツに拠点を持ち、長年の経験と伝統を受け継いでいます。
JWアガト(Jednostka Wojskowa Agat)：
レンジャー部隊であり、第6空中襲撃旅団を原型としています。グリヴィツェに拠点を持ち、空挺作戦や強襲作戦を専門としています。
JWニル(Jednostka Wojskowa Nil)：
ヒューミント（人的情報収集）やシギント（信号情報収集）などを行う情報収集部隊です。クラクフに拠点を持ち、作戦遂行に必要な情報収集と分析を担当しています。
第7特殊作戦中隊(7 Eskadra Działań Specjalnych)：
火力支援などの作戦指揮を行う部隊です。ポビツに拠点を持ち、他の特殊部隊に対する作戦支援や火力提供を担います。

装備品

ポーランド特別軍は、多様な作戦に対応できるよう、最新鋭の装備を保有しています。以下は、主な装備品の一例です。

拳銃：H&K MARK 23、グロック17、SIG SAUER P226、FN Five-seveN、ベレッタ 92（一部部隊で配備）。
散弾銃：レミントンM870。
短機関銃（サブマシンガン）：CZ スコーピオンEVO3、H&K MP5、FN P90。
カービン銃：コルト M4A1、KAC M4カービン、ブッシュマスター M4カービン。
自動小銃：Kbs wz. 1996 ベリル、H&K HK416、H&K G36、FN F2000（少数が運用）。
軽機関銃：PKM、UKM-2000、FN ミニミ。
狙撃銃（マークスマンライフルも含む）：Mk14 EBR、SWD、SAKO TRG、H&K PSG1（少数が調達・限定運用）、レミントンM700、モーゼル SP66、モーゼル86。
対物用ライフル：バレットM82。
擲弾銃（グレネードランチャー）：パラド グレネードランチャー、M203 グレネードランチャー（主にM4カービンに装着）、H&K AG36、H&K AG-C/EGLM（H&K HK416用）、H&K MZP-1。
対戦車ロケット：カールグスタフ。
暗視装置：GPNVG-18。

車両

ポーランド特別軍は、多様な作戦環境に対応するため、様々な種類の車両を保有しています。

M1165A1：5輌
M-ATV：45輌
トヨタ・ランドクルーザー
トヨタ・ハイラックス
ランドローバー・ディフェンダー：90が4輌、110が6輌
メルセデス・ベンツ・Gクラス：6輌
メルセデス・ベンツ・アテゴ1323AK：10輌
Tarpan ホンカー スコルピオン3（特別仕様車）
スター1444 (MAN TGM 18.280 BB)：1輌
Volvo FM：8x4が10輌、6x6が11輌、4x4が2輌

自動二輪車

Yamaha XT660
Polaris Sportsman 500 EFI

ヘリコプター

S-70i ブラックホーク：8機（導入予定数）、現在は4機が運用中。2023年ごろに2機が追加配備予定。

ポーランド特別軍は、高度な訓練を受けた兵士と最新鋭の装備によって、国内外の様々な作戦に投入されています。テロ対策、情報収集、特殊作戦など、多岐にわたる任務を遂行し、ポーランドの安全保障に貢献しています。

外部リンク

ポーランド特別軍公式サイト （ポーランド語）

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