マシオ駒

マシオ駒：早逝のプロレスラー、その生涯と功績

マシオ駒（本名：駒 秀雄）は、1940年5月18日に東京都世田谷区で生まれ、1976年3月10日に35歳という若さで亡くなった日本の元プロレスラーです。その短い生涯の中で、彼は日本のプロレス界に大きな足跡を残しました。

野球からプロレスへ

早稲田実業学校高等部時代には野球部に所属し、王貞治と同期でした。卒業後、1961年6月に日本プロレスに入門し、同年10月にプロレスラーとしてデビューしました。初期の頃は駒厚秀、駒角太郎といったリングネームも使用していました。

小柄ながらも才能を発揮

身長170cmと小柄ながらも、素早い動きと高さのあるドロップキックを武器に活躍しました。1970年1月にはメキシコ遠征を行い、リングネームを「マシオ・コマ」に改名。同年8月にはNWA世界ミドル級王座を獲得し、その実力を証明しました。その後はアメリカにも転戦し、アマリロ地区でファンク一家とのコネクションを築きました。

全日本プロレスの立ち上げに貢献

1972年、ジャイアント馬場が日本プロレスを離脱すると、馬場に合流し全日本プロレスの立ち上げに参加しました。全日本プロレスでは、ジョー樋口と共に外国人選手の招聘や若手の指導を担当。1973年にはジャンボ鶴田のアマリロ修行に同行し、指導を行いました。

早すぎる死

1976年1月5日の試合を最後に病気のため戦列を離れ、その2ヶ月後の3月10日、尿毒症による腎不全のため東京都内の病院で死去しました。35歳という若さでの死は、プロレス界に大きな衝撃を与えました。

人柄とエピソード

マシオ駒は、礼儀作法や生活態度に非常に厳しく、また練習熱心な人物として知られていました。全日本プロレス入門を志願した薗田一治（後のハル薗田）に、服装の乱れを理由にいきなり張り手を見舞ったというエピソードも残っています。真面目な人柄で慕われる一方で、頑固な性格が選手との軋轢を生むこともありましたが、グレート小鹿は「馬場さんに対して、真っ向から意見出来たのは駒さんだけだった」と回想しています。

ジャイアント馬場の最初の付き人であり、全日本プロレスに参加した後も馬場の片腕として活躍しました。馬場は駒を非常に可愛がり、全日本プロレス立ち上げ時にはアマリロへ遠征中だった駒を、予定を切り上げて急遽帰国させました。その際、馬場はドリー・ファンク・シニアに挨拶をするためアマリロを訪問。この出来事が、後の全日本プロレスに多大な影響を与えることになりました。

日本プロレス時代の後輩である山本小鉄とは、ライバルでありながらも仲が良く、互いに若手の指導方法について相談し合うことが多かったようです。ザ・グレート・カブキによると、駒は山本同様若手にはガチンコを徹底指導し、大技を使うことを厳しく制限していました。

その他のエピソード

野球の強豪校で活躍した実力から、力道山が作った野球チーム「レスラーズ」でもレギュラー選手として活躍しました。子供好きだったこともあり、墓地は幼稚園が併設してある寺院に選ばれました。

得意技とタイトル

回転エビ固め
ドロップキック
ヘッドシザース
パンチ
逆片エビ固め

獲得タイトルは以下の通りです。

NWA世界ミドル王座
NWA認定USタッグ王座（パートナー：松岡巌鉄）
NWA西部タッグ王座（パートナー：大熊元司）

マシオ駒は、その短い生涯の中で日本のプロレス界に多大な貢献をしました。彼の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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