マロエラップ空港

マロエラップ空港は、マーシャル諸島のマロエラップ環礁に位置するタロア島にある空港です。この空港は、かつてタロア飛行場またはタロア基地と呼ばれていました。

歴史

1939年（昭和14年）にタロア飛行場として完成し、当時は日本最東端の飛行場でした。1943年（昭和18年）にミリ飛行場が完成するまでその役割を担っていました。完成後、この飛行場は日本海軍の管理下に置かれ、1941年（昭和16年）10月31日には千歳海軍航空隊が進駐しました。

太平洋戦争開戦後の1942年（昭和17年）2月1日、タロア飛行場は米機動部隊による攻撃を受けました。ウィリアム・ハルゼー中将が指揮する米軍の攻撃部隊は、重巡洋艦チェスターと駆逐艦2隻による艦砲射撃を行い、空母エンタープライズから発進した攻撃隊は三波にわたる空襲を実施しました。日本軍も九六式艦上戦闘機や九六式陸上攻撃機で反撃し、米軍機12機（不確実3機を含む）を撃墜しましたが、中井一夫大尉を含む搭乗員を失い、基地施設にも損害が出ました。

その後、1942年（昭和17年）12月1日には第七五五海軍航空隊（陸上攻撃機隊）が、1943年（昭和18年）2月27日には第二五二海軍航空隊（艦上戦闘機隊）がタロア飛行場に進出し、哨戒任務にあたりました。しかし、1943年11月21日から始まったギルバート諸島沖航空戦で第七五五海軍航空隊は戦力を大きく失い、再建のためにテニアン島のハゴイ飛行場へ撤退しました。そのため、タロア飛行場は12月5日のマーシャル諸島沖航空戦では中継基地としての使用にとどまりました。

二度にわたる航空戦の後、12月7日に第七五五海軍航空隊と第二五二海軍航空隊の隊員全員に集結命令が出され、第七五五海軍航空隊の36名と第二五二海軍航空隊の24名がタロア飛行場に集まりました。この時、タロア飛行場で稼働していたのは陸攻3機と戦闘機27機でした。

1944年（昭和19年）1月30日、米軍によるマーシャル諸島攻略作戦が開始されました。米軍は後方のクェゼリン環礁への上陸作戦を優先し、タロア飛行場のあるマロエラップ環礁を素通りしました。その結果、2月5日に第七五五海軍航空隊と第二五二海軍航空隊の隊員全員に撤退命令が出され、隊員60名は陸攻3機に分乗し、トラック、テニアンを経由して日本本土へ脱出しました。しかし、海軍設営隊員、陸戦隊員、陸軍部隊はそのままタロア島に残留することになりました。

終戦までタロア島での地上戦は行われませんでしたが、後方に孤立したため、残留した日本軍将兵は飢餓に苦しむこととなりました。残留していた日本軍将兵と軍属3097名のうち、生存者は1041名でした。

戦後、タロア飛行場はマロエラップ空港と改称され、現在ではマロエラップ環礁への主要な玄関口として機能しています。

就航路線

（就航路線についての詳細な情報はありません。）

脚註

（脚註についての情報はありません。）

参考文献

菅原完『体当たり攻撃の嚆矢——米空母「エンタープライズ」に突入した中井一夫大尉』 草思2004年11-12月号、草思社

関連項目

ギルバート・マーシャル諸島の戦い

外部リンク

* AirNav: 3N1 (英語サイト)

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