ミャンマー地震 (2025年)

2025年ミャンマー地震の概要

2025年3月28日、ミャンマー標準時12時50分（日本時間15時20分）に、ミャンマー中部のマンダレー近郊を震源とする大規模な地震が発生しました。この地震は、国内を南北に走るザガイン断層のずれによって引き起こされ、ミャンマー国内における地震としては、1912年のメイミョー地震以来、最大規模となりました。

地震の規模とメカニズム

地震の規模を示すモーメント・マグニチュードは、アメリカ地質調査所（USGS）の発表で7.7、タイ気象局では8.2、パリ地球物理学研究所では7.9と推定されています。震源の深さは約10kmとされ、横ずれ断層型であることが解析の結果判明しました。USGSが発表した有限断層モデルによると、地震による破壊は、タベイッチンからネピドーにかけて約350kmに及んだとされています。

この地域は、インドプレートとスンダプレートの境界に位置し、ザガイン断層に沿って過去1世紀の間にマグニチュード7を超える地震が6回発生しています。今回の地震後も、最大でマグニチュード6.7を含む100回以上の余震が観測されています。

各地の震度

USGSの推定によれば、改正メルカリ震度階級で、震源に近いマンダレー地方域、ザガイン地方域、バゴー地方域、ネピドー連邦領において最大のIX（猛烈）を記録しました。これらの地域には約246万人が居住しています。周辺地域でも強い揺れが観測され、カレン州、シャン州でVIII（深刻）、マグウェ地方域でVII（非常に強い）、ヤンゴン地方域、カチン州、モン州、カヤー州、エーヤワディ地方域でVI（強い）を記録しました。さらに、タイのバンコクやチェンマイ、中国の徳宏タイ族チンポー族自治州、インドのインパールなど、遠く離れた地域でもV（中程度）の揺れが観測されました。

被害状況

3月29日時点で、ミャンマー国内の死者は1,600人を超え、アメリカ地質調査所（USGS）は死者が10,000人以上に達する可能性も示唆しています。ミャンマー政府は非常事態を宣言し、国際支援を要請しました。しかし、国内では内戦が継続中であり、災害支援活動は困難を極めています。国民統一政府によると、ミャンマー各地で少なくとも2,970棟の住宅、150棟の宗教施設、30本の道路、7本の橋が損壊しました。

周辺国でも被害が発生しており、震源地から1,000km以上離れたタイのバンコクでは、建設中の高層ビルが倒壊するなどの被害が出ています。倒壊現場では多数の労働者が巻き込まれ、死傷者が多数報告されています。専門家は、揺れ方から長周期地震動の影響があった可能性を指摘しています。

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