ライオンお笑いネットワーク

ライオンお笑いネットワーク

『ライオンお笑いネットワーク』は、1970年10月5日から1975年3月まで、読売テレビにより制作された演芸番組で、日本テレビ系列局で放送されました。この番組は、ライオン油脂およびライオン歯磨（現ライオン）の単独提供を受けていました。

番組の概要

このシリーズは、大阪・心斎橋筋にある日立ホールで公開録画を行い、寄席演芸を中心に構成されていました。番組には、夢路いとし・喜味こいし、中田ダイマル・ラケット、暁伸・ミスハワイ、海原千里・万里、桂米朝、桂文珍、笑福亭仁鶴、笑福亭鶴光といった名だたる上方漫才師や落語家たちが出演し、特に平日の昼間にリラックスして楽しむことができる内容となっていました。主な視聴者層は、比較的年齢の高い主婦層や高齢者でした。

1978年からはステレオ放送を導入し、寄席演芸番組としては早い段階からこの技術を取り入れました。通常の放送時間は30分でしたが、1980年代後半から1990年代前半には60分番組へと拡大し、『お笑いネットワークスペシャル』と題された特別放送が行われるようになりました。この時期には、太平サブロー・シローがレギュラーMCとなり、彼らを中心としたコミックバンドのコーナーも定期企画として抑えていました。

背景と番組の製作体制

『ライオンお笑いネットワーク』は放送開始前の読売テレビの背景にも興味深い点があります。これまで、読売テレビは千日劇場との関係が深く、人気のある道頓堀角座やうめだ花月は他の放送局が担当していました。そのため、松竹芸能や吉本興業の芸人が他局に出演しやすく、読売テレビは自社制作の番組を持つことが難しい状況でした。しかし、1969年の千日劇場の閉館により、読売テレビは演芸番組への取り組み方を見直し、松竹・吉本両社の芸人を起用する新たな編成へと移行しました。

この番組は、東京の日本テレビ系列で放送されていた『笑点』や『お笑いカラー寄席』などに対抗する形で、自前の上方演芸番組を立ち上げた数少ない事例として評価されました。

終焉とその後

レギュラー放送が終了した後も、2000年代にかけて『お笑いネットワーク』という名前で不定期に放送され続けましたが、1999年12月に読売テレビと吉本興業が共同制作した演芸特番『ZAIMAN』が始まると共に、その放送頻度は次第に低下しました。しばらくは両番組が並行して放送されていましたが、最終的には収録や放送が行われなくなりました。

また、初期の頃は読売テレビ本社スタジオで収録されていましたが、後に大阪周辺の寄席や貸ホールでの収録に変更され、1996年からは大阪府立上方演芸資料館内のワッハホールで行われていました。

放送時間とテーマ曲

放送は月曜から金曜の13時30分から13時55分の時間帯が基本で、いくつかの変更がありながら続けられました。テーマ曲には、マイケル・フォーチュナティの「ハレルヤ」や、すぎやまこういちによる『ドラゴンクエスト』の交響楽版の「序曲」が使用されていました。

DVDと再放送

2003年には、ポニーキャニオンからこの番組の編集版DVDが発売され、再放送も行われており、ファミリー劇場などで視聴することが可能です。また、神奈川県の放送ライブラリーでは、この番組の特集や関連映像が公開されています。特に、駆け出し時代の明石家さんまが登場する特番の映像も貴重な資料として評価されています。

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