ラーチャブリー駅

ラーチャブリー駅は、タイ王国中部のラーチャブリー県ムアンラーチャブリー郡に位置する、タイ国有鉄道南本線の重要な駅です。県庁所在地であり、約19万人が暮らすムアンラーチャブリー郡の中心部に位置しているため、地域住民にとって非常に利便性の高い駅となっています。駅の正面側、西側には市街地が広がっており、多くの人々が利用しています。

1日に約30本（15往復）の列車が発着しており、内訳は特急が4往復、急行が2往復、快速が4往復、普通列車が5往復です。この駅は一等駅に分類され、全ての列車が停車します。バンコク方面へ向かう列車は、トンブリー駅、クルンテープ・アピワット中央駅、クルンテープ駅の3箇所から発着しているため、利用の際には注意が必要です。特に優等列車は全てクルンテープ・アピワット中央駅を発着しており、クルンテープ駅からは特急列車を利用して約2時間で到着します。

ラーチャブリー駅は、タイ国有鉄道南本線の一部として、その歴史を刻んできました。南本線は、東北本線、北本線に次ぐ3番目の幹線として1899年に着工されました。この路線は、他の2線とは異なり、最初から1,000mmの軌間を採用して敷設されました。（東北本線と北本線は当初標準軌である1,435mmで敷設されましたが、後に1,000mm軌間に改軌されました。）1903年6月19日には、旧トンブリー駅とペッチャブリー駅の間が開業し、ラーチャブリー駅も同時に開業しました。

1903年6月19日、旧トンブリー駅 - ペッチャブリー駅間150.49kmが開業し、この時にラーチャブリー駅も歴史をスタートさせました。駅の構造は、単式切欠きホーム1面1線を有する地上駅で、駅舎はホームに面して建てられています。かつて蒸気機関車が活躍していた時代には、ホームの両側に給水設備がありましたが、現在もその一部が残されており、当時の面影を今に伝えています。

駅の周辺には、ラーチャブリーバスターミナルがあり、駅から約2kmの距離に位置しています。このバスターミナルからは、各地へのバスが発着しており、ラーチャブリー市内だけでなく、周辺地域へのアクセスも非常に便利です。

ラーチャブリー駅は、その歴史的な背景と地域における重要な役割から、多くの人々に利用される駅であり続けています。駅周辺の観光スポットを訪れる際にも、この駅を利用することが非常に便利です。また、タイの鉄道の歴史を感じさせる遺構が残っていることも、この駅の魅力の一つと言えるでしょう。

参考文献として、岡本和之著「タイ鉄道旅行」（めこん、1993年）、柿崎一郎著「王国の鉄路 タイ鉄道の歴史」（京都大学学術出版会、2010年）、渡邉乙弘著「タイ国鉄4000キロの旅」（文芸社、2013年）があります。これらの書籍は、タイの鉄道に関する知識を深める上で役立つでしょう。

関連項目としては、タイの鉄道駅一覧、タイ国有鉄道、タイ国有鉄道南本線があります。

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