リッキー・ローソン

リッキー・ローソン

リッキー・ローソン（Ricky Lawson, 1954年11月8日 - 2013年12月23日）は、米国を代表するセッションドラマーであり、作曲家としても知られています。フュージョン界の先駆的なバンド、イエロージャケッツのオリジナルメンバーとしてそのキャリアを開始し、その後もジャンルを問わず数多くのトップアーティストと共演しました。特にマイケル・ジャクソンのツアーバンドへの参加は、彼の国際的な評価を不動のものとしました。

生い立ちとキャリアの始まり

ローソンはミシガン州デトロイトで生まれ、幼少期からドラムに親しみました。彼はチャールズ・バニスター・ドラムスクールで専門的な教育を受け、同校には後に著名なドラマーとなるマービン・レノアーも在籍していました。卒業後、彼はスタジオミュージシャンとしての道を歩み始め、特にギタリストのロベン・フォードをはじめとする様々なアーティストのレコーディングやライブをサポートしました。

イエロージャケッツの結成と貢献

彼のキャリアにおける重要な転機となったのは、1978年にロベン・フォードのアルバム『ギターに愛を（The Inside Story）』のレコーディングに参加したことでした。このアルバムで共演したキーボーディストのラッセル・フェランテ、ベーシストのジミー・ハスリップらと共に、新しい音楽プロジェクトの構想を練り、これが後のイエロージャケッツへと発展します。1981年、彼らはワーナー・ブラザース・レコードと契約し、セルフタイトルのデビューアルバムを発表。ローソンはバンドのオリジナルメンバーとして、初期のサウンドの確立に深く関わりました。彼は1987年までイエロージャケッツに在籍し、この間、『マリブの旋風（Mirage a Trois）』、『サムライ・サンバ（Samurai Samba）』、『シェイズ（Shades）』といった代表作の制作に貢献しました。

多彩なセッション活動とソロワーク

イエロージャケッツ脱退後も、ローソンは多忙なセッションミュージシャンとして活動を続けました。彼の卓越したテクニックと音楽性は、マイケル・ジャクソン、アル・ジャロウ、フィル・コリンズ、ジェラルド・アルブライト、ジョージ・デューク、スティーリー・ダンなど、ポップス、R&B、フュージョンといった幅広いジャンルの著名なアーティストたちから求められました。特にマイケル・ジャクソンのワールドツアーへの参加は、彼のドラマーとしての評価を世界的なものにしました。また、彼は作曲家としても才能を発揮し、1998年には友人である多くのミュージシャンを迎え、初のリーダーアルバム『ファースト・シングス・ファースト（First Things 1st）』を発表。以降も自身の名義でアルバムをリリースするなど、創作活動も積極的に行いました。

晩年と遺作

2013年12月13日、ローソンは公演中に体調を崩し、病院へ搬送されました。検査の結果、脳動脈瘤と診断され、重体となって入院しましたが、残念ながら同年12月23日に帰らぬ人となりました。享年59歳でした。彼の死後、翌2014年3月に発表されたフォープレイのベーシスト、ネイザン・イースト初のソロアルバムに彼のドラム演奏が収録されていることが明らかとなり、これがローソンの事実上の遺作となりました。

ディスコグラフィ

リーダー・アルバム

『ファースト・シングス・ファースト』 - First Things 1st (1998年)
Ricky Lawson and Friends (2001年)
Christmas with Friends (2008年)

イエロージャケッツ

『イエロージャケッツ』 - Yellowjackets (1981年)
『マリブの旋風』 - Mirage a Trois (1983年)
『サムライ・サンバ』 - Samurai Samba (1985年)
『シェイズ』 - Shades (1986年)

主な参加アルバム

アル・ジャロウ : 『イン・ロンドン』 - In London (1985年)
スティーリー・ダン : 『トゥー・アゲインスト・ネイチャー』 - Two Against Nature (2000年)
ネイザン・イースト : 『ネイザン・イースト』 - Nathan East (2014年)

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