ロシアと朝鮮の関係

ロシアと朝鮮の関係

ロシアと朝鮮の関係は、17世紀に李氏朝鮮がロシアとの戦いに巻き込まれたことに端を発します。その後、国境を越えて朝鮮人がロシア沿海州に移住し、高麗人と呼ばれるようになりました。19世紀末から20世紀初頭にかけては、朝鮮半島は日本、清、ロシアといった列強の勢力争いの場となり、一時的に親露派が政権を握るなど、複雑な状況を呈しました。

歴史的背景

17世紀半ば、李氏朝鮮は清の命によりロシアとの戦闘に参加させられます。これが「羅禅征伐」と呼ばれる戦いです。19世紀になると、国境を越えて沿海州に移住する朝鮮人が増え、彼らは「高麗人」と呼ばれるようになります。19世紀末から20世紀初頭には、朝鮮半島は列強の争いの舞台となり、特に日本、清、ロシアが激しく対立しました。この時期には、親露派が一時的に権力を握り、高宗がロシア公使館に避難する「露館播遷」という異常事態も発生しています。

日露戦争の結果、日本が朝鮮半島を併合し、その後、朝鮮独立運動の武装勢力がソ連に逃れました。しかし、彼らは内部で分裂し、ソ連赤軍との対立によって壊滅しました。これを「自由市惨変」と言います。さらに1930年代には、スターリンの政策により高麗人が中央アジアへ強制移住させられるという悲劇も起きました。

第二次世界大戦後

第二次世界大戦後、ソ連は朝鮮半島の北部を占領し、抗日パルチザンであった金日成を送り込み、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）を建国させました。朝鮮戦争が勃発すると、ソ連は北朝鮮を支援しました。しかし、その後、朝鮮労働党内での権力闘争により、ソ連派は粛清されました。

ソ連と大韓民国は、長らく対立関係にありましたが、1990年に国交を樹立しました。一方で、冷戦時代にはソ連が北朝鮮を援助していましたが、ソ連崩壊後はロシア連邦が韓国との関係を重視するようになりました。

近年の関係

ロシアは、国連安全保障理事会で北朝鮮への経済制裁に賛成するなど、北朝鮮から批判されることもありました。2000年には、ロシアと北朝鮮の間で新たな友好条約が締結されましたが、軍事同盟の条項は削除されています。韓国はロシアから軍事技術の協力を受けており、ロケット「羅老」の開発もその一例です。しかし、2022年以降、ロシアのウクライナ侵攻を契機に、ロシアは北朝鮮への関心を強め、軍事協力の可能性も示唆しています。2023年には、ロシアと北朝鮮の首脳会談が開催され、2024年には有事の際の相互支援などを盛り込んだ新たな条約が締結されました。これによって、ロシアは韓国よりも北朝鮮を重視する方向に舵を切ったと見られています。

主な出来事

1654年、1658年: 羅禅征伐
1860年: 北京条約でロシアと朝鮮が国境を接する
1884年: 露朝修好通商条約
1896年: 露館播遷
1904年: 日露戦争
1921年: 自由市惨変
1945年: ソ連が朝鮮半島北部を占領
1948年: 北朝鮮と韓国が建国
1950年: 朝鮮戦争勃発
1961年: ソ朝友好協力相互援助条約
1990年: ソ連と韓国が国交樹立
2000年: ロ朝友好善隣協力条約
2023年: 露朝首脳会談
2024年: ロ朝首脳会談、ロ朝戦略的パートナーシップ条約

ミサイル開発

韓国は、ロシアの協力でロケット開発を行っていますが、初期には打ち上げに失敗しました。しかし、3回目の打ち上げで成功を収めています。

関連事項

ソビエト連邦の外交関係#朝鮮半島
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ロシアと朝鮮の関係は、歴史的、政治的、経済的、軍事的な要素が複雑に絡み合っており、今後もその動向が注目されます。

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